2008年04月29日

太陽をひとり占め 〜小玉ユキ「坂道のアポロン」1巻

0429

気になっていた漫画家さんの最新刊。
たまたま雑誌で見た連載一話めが面白かったので買いました。


1966年初夏、横須賀から地方の高校へ転入してきた西見薫。
転校を繰り返すうちに見つけた、深呼吸できる場所を求めて屋上へ向かうと、そこには先客がいた。
上級生三人と喧嘩するようなその男は、「札つきの不良」と言われる同じクラスの川渕千太郎だった。
その幼なじみのクラス委員・迎律子も加わり、薫が思いもしなかった三人での交流が始まる。


メガネを外したときに「ハンサムね」って言われたから、それ以来律ちゃんといるときはメガネを外すことにした西見君の恋はなんて甘酸っぱいの!(三浦しをんも推薦!笑)
学校は苦しいだけの場所で、世話になっている親戚の家にも居場所がなくて、吐き気ばかりを覚えていた西見君が恋をし、ジャズの楽しさを知り、千太郎と友情(!?)を育み、新しい世界に触れていく様子を観るのがうれしい。
そして確かに素顔は色っぽい。び…美人!


メガネがまだオシャレや萌えじゃなく、ガリ勉やもやしっ子のものだった頃。
学ランの下に横縞(ボーダーではない)のシャツを着て、葉っぱを口にくわえたバンカラ高校生、そばかすも可憐なしとやかヒロイン。
まだ生まれてなかったので懐かしいというのとは違うけど、昔の日本映画や親の青春時代の写真なんかで見憶えのあるその時代。


画風が古臭いわけではないんだ。同時収録の短編「種男」は完全に現代の話だし、ファッションも言語もテーマも今風。
同じ絵柄で違う年代の空気を出せるのはなかなかすごいと思う。


男子をさん付けで呼ぶ律ちゃんの清楚な可愛らしさ(フワフワのおさげに惹かれる〜)や、千太郎の頭蓋骨が固そうな感じ(笑)や、淳兄のタレ目にグラサンが似合いすぎる感じや、ジャズセッションのひたすらにカッコイイ感じが好きです。
海で泳ぎながら笑う律ちゃんを見て西見君が恋心を募らせるシーンの、水がとぷんと揺れる描写がとてもいいと思う。私まで恋に落ちそうになる。
それから、千太郎が助けた女の人がこちらを向いたときの、夕陽が逆光になってその人を美しく照らすシーン。そりゃ、惚れちゃうよね!


西見君・千太郎・律ちゃんの少し変わった三角形にこの女の人が加わって、四角関係になるのだろうか? 待て2巻、です。
千太郎が最初に言ってた天使うんぬんとか、ロザリオうんぬんの話もこの先出てくるのかしら。


タイトルの「坂道のアポロン」とは千太郎のことを指しているんだろうか?
太陽に愛されてすくすく伸びやかに育った身体という感じ。
健やかな身体というものはそれだけで憧れの対象になり得る。カッコイイなぁ。
ニックネーム 三森紘子 at 12:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画・さ行

2008年04月27日

頁のすべてを養分にして 〜入江亜季「群青学舎」3巻

0427

入江亜季という人の描く漫画は、どうしてこう…


瑞々しくて凛々しくて、収穫期の農園のように豊かで、艶々していて。
女のひとは美しくて、男のひとはかっこよくて。
ほんの少しだけ切り取られた人生が、この上なく愛しく思われて。
それから、それから…うまく言葉が続きません。


ジルとパパとハロルド。春日くんと都さん。青子と万里雄。マコさんとブンタ先生。待宵姫とマミジロ。和美とふた葉と三津枝と依子。
時代も世界も文化も全く違うこれらの話たちが一貫性を持っているのは、ひとえに「入江亜季によって描かれた」という一点のみの為であって。
それって侵しがたい個性だよなぁと思う。


適度な厚みを持った、身体の描き方が好きだ。
衣服越しでも生身の肉体がそこにあると感じさせる、肩の線や腕の線。
強い光を放つ、眼の描き方も好きだ。
この世のすべてを見ようとする万里雄のまなざしと、万里雄を失った青子が泣きながらひたすら歩き続けるために前へ向ける視線。初めて世界に触れた待宵姫の瞳に映される景色。


さっき私はこの作品を農園にたとえてみたけど、農作物が土と水と光から養分を吸収するように、私自身もこの作品から養分をもらっている気がする。実りのための糧のようなものを。
その糧で花を咲かせ実をつけることができるかどうかは、私次第なんでしょうねえ…。


火遊び的に惹かれるのはマミジロ親分ですが(セックスアピール強すぎ!笑)、キュンとくるのは41歳のブンタ先生だったり、不器用なジルパパだったりします。
自分たちで植えた野菜の芽が出たのがうれしくて、夜になっても(懐中電灯とおにぎり持参で)いつまでも見ているブンタ先生とマコさんの姿が可愛らしくって大好き。



1巻の感想はこちら
2巻の感想はこちら
ニックネーム 三森紘子 at 18:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画・か行

2008年04月25日

おお振り感想(アフタヌーン2008年6月号)その1



ヴァムピールが表紙だと、少女漫画誌みたい。


西浦づくし! むっふふ〜ん水谷! 弟! 笑顔笑顔笑顔! 水谷(笑)栄口(笑) 「だよなああっ」。


今月のネタバレなしダイジェスト感想でした(笑)。ネタバレしないように気をつけたらこれくらいしか書くことがない。
ネタバレありご注意の感想は以下ずら〜〜っと続きます↓




続きを読む
ニックネーム 三森紘子 at 23:46| Comment(4) | TrackBack(0) | おお振りアフタヌーン感想

おお振り感想(アフタヌーン2008年6月号)その2

その1から先にお読みください☆
引き続きネタバレご注意!


続きを読む
ニックネーム 三森紘子 at 23:45| Comment(8) | TrackBack(0) | おお振りアフタヌーン感想

2008年04月23日

おれの痛みだ 〜唐々煙「Replica‐レプリカ‐」1巻



今月の「ザ☆表紙買い」はこちらです!(笑)
表紙とペンネームのかっこよさに呼ばれてしまいました。
唐々煙(からからけむり)? 何それかっこいい!


ときには雇い主をも殺すことで「赤狗」と恐れられる用心棒・卍は、仕事を探してある日訪れた街でおもちゃのような動く人形を目にする。
人を殺すというその人形「Toy」を潰しに空から降ってきた少年・カルは、Toyの生産所「アリス」を発見し、殺人発明家AAAを止めることを最終目的とする集団「CARDS」の一員であるという。
なりゆきで一緒に戦い、カルの契約者となった卍は、CARDSの用心棒としてToyの破壊に手を貸すことになる…のかな?


主人公の名前が「卍」で、顔に傷があって…って、どこぞの住人さんを彷彿とさせますが…まあ偶然だろうなぁ。
彼が着流し姿なので、チャンバラ時代劇風な話なのかと勝手に思い込んでしまったけど、実際は「不思議の国のアリス」な世界だった。これはこれで好きだけど残念…!
トランプモチーフとか、ガチャガチャしたブリキのおもちゃとかが好きな方にはオススメかもです。でも私はもっと和風にチャンバラしてほしかったのよー。
しかも卍、途中で衣装変わっちゃうし! ああん、もっと着物着てほしいよー。


卍はこちらの期待通りに行動してくれる、少年漫画的ヒーロー(ダークヒーローか?でもそんなに悪いやつでもないし)なので、これからもあまり変わらないと思うんです。
最初から人格が出来上がっているので。
この話はむしろ、卍と関わることで変わっていくカルの物語なんだろうな。
卍に対して敬語だったのがくだけた口調に変わる、その瞬間の心境の変化(卍と契約しようと決めた瞬間でもある)とかを考えると興味深い。


お互いの血を媒介として、契約者の「痛み」を自らにうつしとることのできる能力をカルは持っている。
それを「いたいのいたいのとんでけ」でうつったんだと本気で思ってた卍、かわいいぞ…。
単に「ケガ」じゃなくて、「痛み」ってところがミソなんだろうな。
自分の痛みを他人に負わせることを卍はよしとしない。対して、カルにとっては痛みを引き受けることが自分の存在理由になっている。
他にも特殊な能力を持った者がCARDSには何人かいて、その秘密の一端は1巻のラストで明かされます。


この2巻への引っぱり方、めちゃめちゃ巧いなぁ…。
連載時から計算して描いてたのならスゴイ。
読んでて途中までは、「うーん…これは当たり障りのない…つまりはずれかもしれんな…」と思ってたんだけど、最後までいくともう2巻を読むしかなくなってしまいました。


人から借りたり、漫画喫茶だと一回しか読まないけど、自分で買ったときは何回も読み返します。
そうすると、CARDSの面々はみんなトランプのマークがモチーフになった服装をしていて、四つの部隊に分かれててその中でもゼンリさんのいるクラブマークはちょっと偉いのかなとか、卍のセリフのふきだしだけ荒っぽく描かれているなとか、卍とカルはまだ名前で呼び合ってないなーいつか呼び合う日が来るんだろうかとか、細かいことに気づけてなかなか面白いので、これは買ってよかったなと思いました。
さらっと読んだだけじゃたぶん、何とも思わずに過ぎちゃってた。


それにしてもこの表紙はほんとにかっこいいよー、うひょー。
2巻の表紙もかっこよいといいな!(笑)
ニックネーム 三森紘子 at 11:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画・ら行

2008年04月22日

野暮なことを言いたい 〜米澤穂信「遠まわりする雛」

0422

「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」に続く、著者の代表作である古典部シリーズの第4弾。
どうでもいいのですが、二作目の「愚者のエンドロール」を私はかなりの間「患者のエンドロール」だと思っていました。
一字違うだけで一気に不吉で悲しいことになってしまいますね…。中身を読んでやっと間違いに気づいた。


『やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら、手短に』が信条の省エネ高校生・折木奉太郎を語り手&探偵役に据えたこのシリーズ。
今回は短編集。
じっくり謎と向き合う長編もいいけど、サクサク読める短編のお手頃感も大変よろしい。


手頃だけど手軽というわけではない、どの話にもあるのはほんのりビターな読後感。
興味を向けたその先が必ず楽しいこと嬉しいことにつながっているわけではない、という目線は米澤作品に共通する味だなぁと思う。
それでも千反田嬢は『わたし、気になります』をやめないんだね。


で、表題作の「遠まわりする雛」。
何かの比喩かと思ったら、ほんとに物理的に「雛が遠まわりする」話だったとは。
でももうひとつの意味合いも持たせていそうな感じ。


なんだか頭でっかちな主人公のホータロー。言葉を紡ぎ、理屈を並べ、「自覚がない」というよりは「あえて触れず」でここまでやってきた彼が、ついに千反田嬢への恋心を認める!…とか書いてる時点でもう野暮な気がする。ここは「言わぬが花」なのではあるまいか。
…でも言っちゃう! これを言いたくて感想書き始めたんだもん(笑)


そのくだりを読んでも、「好きだ」とか「これは恋だ」とかそんな言葉は一切書いてない。書いてないのにホータローがそう思っていることがわかるのだよな。
この迂遠ぶり、核心をつかない言い回し、たまりません好みです
実にホータローらしい。そもそもホータローの回りくどい語り口はあんまり好きではなかったのだけど、事ここにきてこの口調が絶大な効果を生み出したと言えよう。


 しかし、どうしたことか。言おうと思っているのに、その実、ぜんぜん言える気がしないのだ。
 こんなことは初めてだった。(後略)



言いたいことを言う代わりに、「精一杯に無愛想を装い」ながら『寒くなってきたな』と隣の千反田嬢に言うホータロー。
千反田嬢はそれを聞くと、「柔らかく笑」いながらこう答える。
『いいえ。もう春です』
春!
春という言葉が、なんて象徴的に使われていることか。


「氷菓」を読んだときから、この二人は最終的にはそういうことになるんだろうな…とは思ってたけど、なかなかそうはならずに四作目までやってきた。
はぐらかし続けてたっぽいホータローも、やっと素直に(?)認めてくれたようでうれしいです。
だって認めてしまったら、省エネ精神に著しく反する日々を送ることになってしまうからね。
けど考えてみたら、千反田嬢と出会った時点ですでに、ホータローは反・省エネ生活を送らざるをえなくなってしまっているのです。
それを認めようとしないのは、それこそ「遠まわり」だったね。
ニックネーム 三森紘子 at 11:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 活字・た行

2008年04月19日

有趣 〜寺嶋裕二「ダイヤのA」10巻

0419

丹波、ムダに頭を光らせないように(笑)なごむっつの!


四回戦、「精密機械」と称されるピッチャー・楊舜臣が率いる明川学園との試合。
青道の先発投手は降谷。
最大の武器である剛速球に対抗して球数を投げさせようとする明川打線につかまり、2点を先制された降谷は、体力を消耗させていく。
これ以上降谷の弱点をさらせないと判断した監督が、リリーフに選んだのは沢村だった。


完全復帰していないエース丹波抜きでの試合、経験豊富な川上を抑えで残しておくために、沢村の出番がやってまいりました!
試合前夜、監督相手にインコースギリギリに4シームを投げ込んだ度胸と勝負強さ、試合に賭ける気持ち。
沢村を登板させる可能性を考えて、それらを再確認してたのですね監督!
そして「お前の後ろには俺がいるからな」と沢村を送り出した川上、なんて頼もしいんだ。いくら気が弱いところがあろうが、二年の貫録を見せてくれたよ。


フォアボールでランナーを出したところで降板となった降谷は、マウンドに立ったままなかなか動こうとしない。
打たれて、揺さぶりかけられて消耗して、それでも球威が衰えるどころかさらに増した剛腕で投げ続けた降谷。
この夏に賭ける先輩達全員の思い。作中で、これまでいやというほど描かれてきたその思いがあるからこそ、このまま終わりたくないという降谷の気持ちが痛いほどわかる。
そして、降谷と同じように先輩達を見てきた沢村が言う「あとは俺にまかせろ!」という言葉には、とても重みがある。
その沢村だからこそ、降谷はボールを預けることができたんだろう。
そりゃあムカツクでしょうけど(笑)降谷の気持ちはみんなに伝わってるよ!


リリーフして最初の回をランナー出さずに終えた沢村の雄叫び姿が好きです。
沢村の熱さ、強さ、前向きさは、中学のときから全然変わってない。好きだなー。


勢いづいてきた青道に、「有趣(おもしろい)」と勝負を楽しみ始める楊。
いわゆる「ワンマンチーム」の強みと弱みについては、いろんなスポーツ漫画で描かれてきたことだけれど、この明川は、今のところワンマンがよい方向に作用しているように思える。
楊というスゴイ投手を中心に、チーム全体が一丸となっていて、とてもいいムード。
そんなチーム相手に同点まで迫った青道は、どこまで自分たちのプレーをできるか。
次巻ではとうとう反撃が始まりそうな予感です。


あとは、ここまで打撃に関していいとこナシの倉持が、いつ爆発してくれるかってのが楽しみ。
期待してる!


ユニフォーム姿で応援する女子マネたちに、ひそかにニコニコしました。
今巻は終始解説役だったクリス先輩、次巻ではもっと出番を…!(笑)



1〜4巻の感想はこちら
5巻の感想はこちら
6巻の感想はこちら
7巻の感想はこちら
8巻の感想はこちら
9巻の感想はこちら
ニックネーム 三森紘子 at 11:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画・た行

2008年04月17日

放課後は名前を呼んで 〜辻村深月「名前探しの放課後」上・下

0417

他人からすればちっぽけなことに対して、びっくりするほど落ち込んでしまう夜のこと。
思うだけで涙が出るくらい大事な人のこと。大事な人の期待に応えられない悲しみのこと。
教室での、自分の立ち位置、棲み分け。逃げ続けることの楽さと息苦しさ。
他人と関わり、影響を与え合うことの幸福。


辻村深月の小説の魅力は、ミステリ的な展開よりもまず、その感受性の豊かさが第一なのだと思っています。
ふだんは見過ごしている感情の機微の細やかな描写。それが、私が辻村深月を読みたいと思う理由だし、読み始めたらともかく最後まで読みとおさずにはいられない理由なんだろう。


なるべくネタバレしないように書くつもりですが、これから読む予定の方はご注意くださいね。


同学年の「誰か」が自殺した。
その三ヶ月前にタイムスリップした依田いつか(♂)は、クラスメートの坂崎あすな達の協力を得、名前を思い出せない「誰か」を探し始める。自殺を食い止めるために。
いやでも思い出すのは、著者のデビュー作「冷たい校舎の時は止まる」。
あちらは既に死んでしまった誰かを思い出すことが、今回はこれから死ぬ予定の誰かを思い出すことがテーマになっている。


私にしては珍しく(!)、早い段階で真相の見当がついた今作でした。
これはこのまま終わるはずはないな、と。私が気づくくらいだからみんな気づいてるんだろうな(笑)
気づいたといってもそれは直感みたいなもので、論理的に考えたわけじゃない。
だからもう一度読み返してみて、ここはそういうわけだったのかぁと発見する部分がたくさんあった。
三人称で、なおかつ視点を固定せず、同じ章のなかでも複数の視点がいったりきたりする書き方を採っているために、「Aが知っていてBが知らないことがある」という事実をあやふやにすることに成功している。
ミスリードってこういうふうにやるのか! と感心した。


坂崎あすなが大好きです。
自分で言うほど、かっこ悪くならないよね。お前、きちんとかっこいいよ。そう言ったいつかに同感。


みんなで知恵をしぼり、体を張って奔走するクライマックスは感動的だった。
特にあの人物が走るところ、ぐっときた。
たとえそれに見合う報酬をもらっていたにせよ。


最大の疑問は、

そんな簡単にだまされるかなぁ?
そんな簡単にだませるかなぁ?

ってところなんだけど、私が同じ立場だったらだまされていたに違いないので、何も言わないことにします。


それから、あの二人の「正体」もそうなんじゃないかなとうっすら予感があった。伏線もいっぱいあったし。
名前に仕掛けがありそうだな、と思ってたらほんとにそうだった。
でも、これは「あの作品」を読んでない人にとっては意味がわからないだろうし、それを最後の種あかしとして持ってくるのは不親切な気がする。
そこまでつじつま合わせちゃわなくてもいいのにな、ファンタジーでよかったのに。
掲載誌(メフィスト)的にはそれじゃだめだったんだろうか。


そのへんの感情はおいといて。
「あの作品」を読んだときは、あの二人が幸せに生きていってくれるように、ただそれだけを祈っていたので、今回二人のその後が描かれたことはもう単純に、本当に、とんでもなく嬉しかった。それこそ涙が出るくらいに。
よかったなぁ。



ちなみに
「冷たい校舎の時は止まる」の感想はこちら
「スロウハイツの神様」の感想はこちら
ニックネーム 三森紘子 at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 活字・な行

2008年04月16日

最近のほん 4月1〜15日

財政難により、書籍購入費削減中でございます…。
もちろん食費・光熱費の見直し等も並行しておこなっております。
ああ…かなしい。毎日通ってた本屋も三日に一度くらいに減らしてがんばってます。だって行ったら何かしら欲しくなる!
この年度末は契約更新やら火災保険更新やらが重なって、めちゃめちゃ物入りで大変だった。
去年一年フラフラしてたツケだなぁ、間違いなく。
今の仕事もお金より内容で選んだので(その選択は間違ってなかったと思ってる)、財政難は仕方のないことですが、まあなんとか生きていこうと思います。
貧乏のほうが性に合ってるし(笑)。図書館通いまくる!


あと、しばらく午後から勤務のシフトになるので、午前中や昼の早い時間帯に記事の更新やコメントのご返信をすることが多くなると思います。
どうでもいいお知らせでした。



●最近よんだほん


(漫画)
・いくえみ綾「潔く柔く」7巻
・六花チヨ「IS〜男でも女でもない性〜」4〜5巻
・皇なつき「花情曲(はなのこえ)」(文庫版)
・池野雅博/森絵都「DIVE!」2巻
・椎名高志「絶対可憐チルドレン」12巻
・中原裕/神尾龍「ラストイニング」17巻
・葉鳥ビスコ「桜蘭高校ホスト部」12巻




お金ないないと言いつつ、ちゃっかりマンガはしっかり読んでおりました。
貸してくださる皆様愛してる!


「潔く柔く」→懲りない百加、スキ(笑) 貸してくれた友人が「百加はあたしだ」って言ってた。
「IS〜男でも女でもない性〜」→春は強くてまぶしいな。私はどっちかというと伊吹寄りで、自分のそういう部分が嫌だ。
「花情曲(はなのこえ)」→……うつくしい〜〜!! とにかくうっとりだ。話も切なかったり俗っぽかったりして好き。おまけマンガは余計だったかな…。
「DIVE!」→展開やたら早い。飛沫がマッチョなのがどうしても笑ってしまう。飛びこむときに効果線出まくりだったり花しょってたり…まあ…派手でいいと思うけど……。
「絶対可憐チルドレン」→敵キャラの造形とかが、古きよき少年漫画って感じで安心感がある。アニメ一話も観たけど、やっぱりGS美神のほうが好きかなぁ。
「ラストイニング」→日高、どんどんかっこよくなってきたなぁ(手なずけられてきたとも言う・笑)八潮のケガが大したことなくて本当によかった。いやー面白い!
「桜蘭高校ホスト部」→馨すごい、えらいなぁ…そして馨が必死で引こうとした線を飛び越えてきてくれた光もすごい! 涙、涙の12巻でした。


マンガ喫茶に行った時間帯が悪かったのか、新刊が争奪戦状態になってました。
ホスト部も、3回くらい棚を見に行ってやっと読めた。ゴールデンデイズを読めなかったのが残念!



●最近気になるものいくつか


・アニメ「バッカーノ!」のOPがめちゃカッコイイです。(Youtubeでも観れます)何回も何回も観てしまう。本編知らないのに観てしまう。
コメントでお勧めいただいたので原作小説をブック○フ等で探してるのですがなかなか出会えません。買うか?もう新品で買っちゃうか? なんで近所の図書館には置いてないんだよう…!



・映画「木曜組曲」を観返しました。ものすごく面白いと思うのだけどあまり評判をきいたことがないので寂しい。
相手の出方を注意深く見守りながら歓談する五人の間に流れる緊張と緩和のバランスや、夜中に手紙を探す鈴木京香と西田尚美の修学旅行生のようなハイテンションや、去り際の原田美枝子のとても綺麗な笑顔や、富田靖子のプライドが見え隠れするコワイ笑顔や、書き置きをして一人家を出た加藤登紀子が感情を抑えきれなくなった一瞬や、目を離すことを許されないほど鬼気迫った浅丘ルリ子の表情は、素晴らしいと思う。
会話ばかりが続く淡々とした映画なのに、はじめからおわりまで飽きることがなくて、観始めたらもう最後まで観届けずにはいられないような魅力を放っています。
観終わったばかりなのにまた観たいと思っている。原作と併せて大好きだ。



・4月始まりのアニメ、ところどころ観てみたけれど、続けて観ようと思えるものがあまりなくって、ひょっとして私はアニメへの興味が薄れてきてるのか? と思った。
漫画>アニメなのは昔からだけど。歳とったのかな…。
でも、NHK地上波で始まった「精霊の守り人」は続けて観てみようと思う。
バルサの、ま〜美人なこと! 腕の美しさ、色っぽさ。EDの景色がぶあーっと広がるところで感動した。
あとはまだ観れてない「図書館戦争」に期待、アニメ以外ではレッドカーペットとルーキーズは今のところ観ようと思ってます。
ニックネーム 三森紘子 at 11:55| Comment(3) | TrackBack(1) | いろいろ簡易感想

2008年04月14日

無学ぶりを露呈 〜日丸屋秀和「ヘタリア」

0414

朝、職場に着くと、部署違いの方がこの漫画を手にしているのが目に入りました。
「あっ、それ! どなたのなんですかー? すごい人気なんですよねー! すぐ品切れになったらしいですよねー!」
とソッコーですり寄り(そんなに親しくなかったのに)、「あ、読みます?」と無理やり言わせたみたいな形になってしまってどうもすいませんでした!
そんなこんなで、話題の「ヘタリア」を読みました。


昔はすごく強かった。
周りからは ドイツ イギリスより強いと思われていた。
――でも なんか違った。



ヘタレなイタリア=ヘタリアを中心に、世界各国の仲間たちが仲良くしたりケンカしたりワイワイ楽しそうな、国擬人化コメディ。


もうね…人に貸してもらっといて(しかも自分からすり寄っといて)アレなのですが、ここは本音を言わねばならない…。


すいません…わからないことがいっぱいあります!
私、世界史は大の苦手で…(だからって日本史が得意だったわけでもない)「この国旗、どこの国だっけ?」レベルなんでございます。
日本、アメリカ、イギリス、イタリア、中国ぐらいはかろうじてわかるか…というような体たらくで。
なので巻頭のカラー8P、いきなりつまづきました。名前代わりに国旗を出していただいても、誰が誰やら。
後のほうの紹介ページでやっとわかるんだけど、それまでは「???」の状態で読まなきゃいけないし、国の数だけキャラが存在するわけだから、多すぎて全部すぐには覚えきれないし。
随所で解説も結構してくれてるんだけどそれだけですべてが理解できるわけでもないし…


歴史的背景を知っていれば、もっと楽しめただろうにと思うと悔しいいい…
うぉぉぉぉん…私がアホなのがいけないんだな! だってこれすごい人気なんですよね…発売当日に品切れとか…皆さんこの作品の面白さをしっかり味わってらっしゃるんだわ…
もっと勉強しろってことか…はぁぁー…


…歴史に詳しい方のほうが120%間違いなく面白く読めるであろうこの「ヘタリア」、そうはいってもキャラクターがみんなかわいらしいので、意味がわかんなくてもある程度は楽しめます。
それぞれのお国柄にそった性格づけがされているのが、お見事。
私は自国びいきなのでやっぱり日本が好きだけど、ドイツの苦労人なところも大好きだし、マサルさんチックに泣き叫ぶイタリアも、眉毛の太いイギリスもかわいい。
モノを食べてるときのアメリカの口元も好きだし、優しげな顔して鬼のロシアも何故か好き。


でも一番かわいいのは生まれたてのイタリア=ちびたりあ!! 何これかわいすぎる!!
好きな子に素直になれない神聖ローマとあわせてラブリーすぎる…!!
アメリカとイギリスの回想シーンも、よくわからんままに泣きましたよ。「あんなに大きかったのにな…」が切ない…
こういうのひとつとっても、実際の歴史を知ってたらもっと感情移入できたんだろうなぁと思うと悔しい、ほんとうに。


学生の頃にこの漫画があったら、もうちょっと社会科の成績がよかったかもしれないのに。
うーん残念。現役学生さんはこれを読んで勉強がんばってください!
私もこれを機会に歴史に興味が、持てたらいいなぁ…。


エストニアの国旗って、かっこいい色合わせだ。
ニックネーム 三森紘子 at 10:50| Comment(4) | TrackBack(0) | 漫画・は行

2008年04月12日

お会いしましょう 〜穂村弘「手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)」

0412

天沼のひかりでこれを書いている きっとあなたはめをとじている



「いつか本棚に並べたいリスト」の中にずっとある穂村弘の歌集を、急にとてもとても読みたくなったので、図書館で取り寄せました。
いつかは自分のお金で買うつもりなのですが、いつになるのでしょう。そんな本ばかりがたくさんある。家が本屋だったらいいのに。いやむしろ、本屋が家だったらいいのに。


「このエロカワイイイラストは一体誰の手によるものなんだ!?」と、タカノ綾さんのお名前を知ったのもこの本でだった。
表紙のステキさも、本棚に並べたい理由のひとつ。
でもここに感想を書いたので、ブクログの本棚には並べることが叶います。うふふ。


巻き上げよ、この素晴らしきスパゲティ(キャバクラ嬢の休日風)を



これは、穂村氏の元へ591通もの手紙を送った(おそらくまだ増え続けてるんだろう)まみという女の子に対する、穂村氏からの手紙という体裁をとった短歌集である。
「手紙魔まみ」が実在するのかどうかはわからないし、架空の人物なのかもしれない。
でもそんなことはどうでもよかったりする。
ここに載っている歌はぜんぶ穂村氏の作なんだけど、主人公=穂村弘ではなく、主人公=まみなのである。
「穂村弘が手紙魔まみのフリをして詠んだ歌」なんである。
それが面白いなーと思う。


左から、宇宙スカート、プリンスカート、色盲検査スカート、まみ作

兎の眼を通じてまみのSEXが宇宙に実況中継される



これとかこれとかは、タカノ綾の世界にまんまシンクロしている。
まずタカノさんの世界ありきだったの? 歌が先だったの? まみはタカノさんが大好きらしいから、絵のほうが先かな。


未明テレホンカード抜き取ることさえも忘れるほどの絶望を見た

おやすみ、ほむほむ。LOVE(いままみの中にあるそういう優しいちからの全て)。



これとかこれとかは、ぜんぜん五七五七七になってないのに、口ずさんでみると不思議とリズムが心地よい歌。
ちなみに「ほむほむ」とは穂村氏のことです。「おやすみ、ほむほむ」の歌は一度読んだら覚えてしまった。


ピストルに胸を刺されて死んだのよ、ママン、水着の回転木馬

バービーかリカちゃんだろう鍵穴にあたまから突き刺さってるのは



かと思うと、これとかこれとかはばっちり五七五七七になっていて、それが気持ちよくって好き。
シュールですな…あたまから刺さってるから、顔が見えなくてどっちかわかんないってことか。


まだまだたくさん引用したいですが、そうなると感想より引用のほうの比重が大きくなってしまうのでやめておきます。
ポップでカワイイ歌たちに共通して感じられるのは、「日常的なものとなった絶望」である気がする。
それでも明るさを放っているのは、これらが誰かに宛てたメッセージだからなのかな。


夢の中では、光ることと喋ることはおなじこと。お会いしましょう
ニックネーム 三森紘子 at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 活字・た行

2008年04月11日

僕の名前を叫んでくれ 〜秋重学「GO−ON!」1巻

0411

タイトルは「轟音」とかけてるんだろうか。


久しぶり! というかリアルタイムでは初めての、秋重先生オリジナル作品!
装丁の第一印象は、正直微妙…。
バンド漫画かー、あんまり興味ないなぁ…裏表紙の紹介文やコマの抜粋も、そんなに面白そうに見えない…。
と思いつつ購入。
でも読み出してみるとやっぱり面白くって、私は秋重漫画が好きだなぁと再確認しました。


所属する野球部では補欠で、レギュラーの後輩のパシリをやらされている片瀬遼・高3。
担任教師にまで名前を間違えられるほどパッとしない彼は、そんな自分の人生を諦めながら受け入れていた。
ある日片瀬は学校でも有名な変人の蓬田康太郎と出会い、彼の音楽を聴いて震える。
声高に叫びたいことが自分のなかにあると気づいた片瀬と、そんな片瀬に「俺とバンド組まねーか?」と呼びかける蓬田。
片瀬の新しい人生が始まろうとしていた。


という感じの、「純度100%ロック漫画」らしいです。
始まったといってもほんとにまだ始まったばっかりで、バンドをやると決めたはいいけどまだギターすらまともに弾けない状態の片瀬。
マイギターも持ってないので、路上弾き語りをやってたお兄さんのギターを勝手に借りてったりしてるし。
ひと皮ふた皮むけるのはこれからなので、がんばってほしいと思います。4か月後の甲子園ジャック目指して!


主人公の片瀬よりも、1巻で印象に残るのは変人・蓬田くんの奇行でしょう。
天井裏に潜むわ、「学校を計る」とかいって物差し片手に廊下を這いずるわ、下駄箱で全校生徒(?)の靴を順番に嗅いでまわるわ、とりあえず変な人だ。
変な人だけどかっこいい。すこぶるかっこいい。いや〜、男前だ〜…
男前といえば、片瀬のじーちゃんも! 遺影に一目惚れをしてしまった…。
ちょこっとだけ登場した篠原は、バンドメンバーになる予定だったりするのかな。


冒頭で、二人はいずれ甲子園の校歌をジャックするんですよ〜という予告がされている。
罰あたりなことやってますけど、野球を愛していたけど野球には愛されなかった片瀬が、次にやりたかったことがそれだというんならいいじゃんね。(ここに出てくる野球部はヤなやつばっかりなのであんまり気の毒とも思わんし)
今までの自分との決別という意味も込めてるのかな。


1巻の全体的な感想としては、もひとつパンチに欠けるかな…という感じでした。
この人はもっと我々の心を躍らせてくれるはず!
次の巻からに大いに期待してます!


最後にこれだけ。秋重漫画に欠かせないカワイコちゃんは今回もカワイかった!
永野さんは完全に男目線で見たアイドル的存在として描かれているので、まだ感情移入とかはできないけど、カワイイのはめっちゃカワイイ。
この先内面描写が出てきたら、もっと好きになれるかも。



ちなみに他の秋重漫画の感想はこちらです↓
SPEED
DA−SH
宙舞
學ビノ國
ニックネーム 三森紘子 at 10:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画・か行

2008年04月10日

まだ走り出してもいないのに 〜佐藤多佳子「一瞬の風になれ」1〜2

0410

もう図書館に返さなきゃいけないので、ひとまず第一部「イチニツイテ」と第二部「ヨウイ」の感想。


漫画版が面白かったし、コメントでお勧めもいただいていたので、原作小説を(今さら)読んでみました。
ほぼ予約待ち人数なしで借りることができた。もうブームは一段落したのかな…。
予約限度冊数いっぱいになっちゃってるので、3を新しく予約することができず、しばらくおあずけです。
有○天家族とか吉○手引草とか、どんだけ待たすんだってぐらい待ってるんだけど…まだですかー。


主人公である新二の周りには、2人の天才がいる。サッカー選手の兄・健一と、短距離走者の親友・連だ。新二は兄への複雑な想いからサッカーを諦めるが、連の美しい走りに導かれ、スプリンターの道を歩むことになる。夢は、ひとつ。どこまでも速くなること。信じ合える仲間、強力なライバル、気になる異性。神奈川県の高校陸上部を舞台に、新二の新たな挑戦が始まった――。(アマゾンからそのまま引用)


佐藤多佳子さんの作品なら「しゃべれども しゃべれども」を読んだことがあるのだけど、そちらの主人公三つ葉と、この新二には何か通じるものがあるように感じた。
なんだろう、ひたむきで、努力家で、語り口があっけらかんとしていて、マジメだけど堅物ではないところ。
うまく言えないけど、佐藤さんはこういうタイプの主人公が好きなのかなぁ。
顔が可愛いとかそういうのはまあ、知らなくてもよかったけど…。


新二の語り口にうまくのれなければ、読み進めるのはなかなか難しそう。
逆にのりだすと止まらずすいすい読める。とにかく彼は素直だ。自分の思ったことを包み隠さず読者に打ち明けてくれる。
天才な兄貴・健ちゃんへの誇らしさと劣等感とか、走ることをとことん極めようとする姿勢とか、谷口若菜に対する淡い恋心とか(甘ずっぱい!)、連と対等でいたいという気持ちとか。


海老名のトラックの青いタータンが川の水みたいで涼しげで好き、と谷口が言ってたけど、それって2の表紙のことかな。
成程その部分を読むまで、私はこの表紙を海だと思ってた。川じゃなくて海だけど。


短距離走だから、走ってる間はそれこそ一瞬のことで。
時間を引きのばしたりはしなくて、二行とか三行で終わっちゃう。四継リレーですら一瞬のこと。
それが返って臨場感たっぷりで、私はむちゃくちゃ鈍足なので想像するしかないんだけど、こんな感じなのかもなぁ。きっと身体が走り方を覚えてるんだ。


だらだらしてるとかいうわけじゃないけど、陸上に打ちこむ新二の日常がこのまま淡々と続くのかと思っていたから、2での後半の展開は不意打ちをくらって、ボロボロと泣いてしまった。
ほんとになんであんなに泣いたのか不思議。心が弱っていたのかしら。
でも家族のああいう状況は本当につらい。もし自分だったらと想像するだけでつらい。
新二に陸上があって、仲間がいて、心底よかったなと思いました。


合宿をトンズラしようとした連に対し、「俺は、おまえがみっともないのはイヤなんだっ!」と言い放ったり、「なんで、健ちゃんなんだ。俺ならよかったんだ」と本心から思った新二は、「自分だけ」ではいられない人間なんだなと思う。
その背中を追いかけたくなる誰か、並んで競い合いたい誰かがいるからこそ、最高の瞬間に向かって努力できるんだと。


すっごい親バカで子煩悩な神谷家のお母さんが、私は大好きだ。
息子の具合が悪くなると自分まで寝込んじゃうようなお母さん。
「うちの子が、うちの子が」ばっかりで周りに迷惑かけるような親は論外だけど、このお母さんはとっても可愛らしいと思う。
子どもを持つとしたらこれくらい「子ども命」になりたいものだ。


3を読んだあとで、もう一度総括的な感想を書こうと思います。
記事タイトルは福満しげゆき氏の「まだ旅立ってもいないのに」(未読)のパクリです…
いや、めっちゃ走ってはいるんだけど。だってまだ第三部の「ドン」までいってないんだもん。
ニックネーム 三森紘子 at 10:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 活字・あ行

2008年04月09日

少女漫画で正解 〜原作・有川浩/漫画・弓きいろ「図書館戦争 LOVE&WAR」1巻

0409

原作シリーズは途中で挫折しちゃったのだけど、漫画版は期待を込めて買ってみました。


「メディア良化法」の成立・施行により、さまざまな本が検閲され狩られる世界。
それを行使するメディア良化委員会に唯一対抗できる機関である図書館は、本を防衛するために軍隊を発足させた。
新図書隊員として訓練中の笠原郁は、昔本を奪われそうになった自分を助けてくれた図書隊員に憧れて入隊した。
顔も覚えていない「王子様」にいつか会えることを夢みる郁だが、上司の堂上教官は鬼(?)のように厳しい教官で…。


何でだろう、何故かしっくりこなかった原作小説。
どうやら、ライトノベル調の台詞群をハードカバーという体裁で読むことにどうにも違和感を感じたようで、「王子様の正体に郁が気づいちゃった!?」ってところまでで読むのをやめてしまいました。
また中途半端なところでやめちゃったもんだなぁ…。


それがこうやって漫画になってみるとあら不思議! 違和感がまったくなくなってます。
若干イラッとさせられもしたヒロイン・郁の言動も、突っぱしり系主人公として魅力的なものになっているし。
この作品のコミカライズを少女漫画誌でやったのは正解だと思う。さらに、ラブ&アクションといえば白泉社系の十八番!だと個人的に思っているので、LaLaでやってほんとに大正解!
「WAR」もいいけどやっぱり「LOVE」を描いてくれなくちゃね!


そしてとっても素敵でした堂上教か〜〜ん!
この漫画を買った理由の8割が「堂上教官を絵で見たい」だったのだけど、存分に満足した!(笑)
背が低いってところがすごい好き。そこがとにかく激しくツボです。
郁のこと頭ポンポンしてやるときも見上げながらなんだぜ!
有川さんのあとがきに「堂上=ツンデレ」みたいなことが書いてあって、そぉぉかぁぁ!と非常に納得がいった。


手塚にこっぴどく攻撃されたあと、柴崎に「すっごいみっともなくてつらかった」って自分をさらけ出せる郁がうらやましい。
かっこつけの自分は、人にこんなふうに素直な心情を吐露する(=弱さを見せる)ことがなかなかできないので。
でも郁も、警備の実地訓練でヘマをやったときは柴崎の前でも泣けなかったんだよな。柴崎に対する信頼と、それから堂上教官に対する信頼が大きくなってきたってことだろうか。
小牧教官が言った言葉、「正しかったら何言ってもいいわけじゃない」というのは考えさせられる台詞だった。
あと、郁の「クマかっ!」は非常に漢らしくてかっこよかったです。


作画の弓さんは新人さんだそうだけど、そうは見えないぐらい一定水準に達してるなー、見開きの使い方とかこなれてるし、魅せ方が上手いです。
「広すぎて遭難者が出る書庫」が広く見えないのは残念だけど(笑)、アクションも描けるみたいだし、次巻予告の戦う堂上教官がやたらかっこいいので、2巻も楽しみだ。
郁の王子様が誰か?というのは、1巻の時点でもうバレバレなわけですけども、そのへんの展開がどうなっていくのかも気になります。バレて以降の原作読んでないからよけいに。
ニックネーム 三森紘子 at 21:11| Comment(4) | TrackBack(1) | 漫画・た行

2008年04月07日

グアムは絶対行くんですけど 〜増田こうすけ「ギャグマンガ日和」9巻

0407

月ジャンは休刊になりましたが、スクエアに掲載誌を移してひと安心のギャグマンガ日和9巻です。


なんか最近、長編が多い?(といっても10ページ強くらいだけど)
「パワフルライダー2号」とか「パパエクソシスト」とか「親友は狼男」とか、展開が二転三転するスパンが長いというか、瞬発力だけでなく持続力もある感じ。
…と思ったんだけど、前の巻を見てみたら10ページ超えの話はわりと普通にありました。
私の見解アテにならねぇー…。
特に「ファイナルクラス替え」が好きだった。扉絵が妙にカッコイイ!


短編のほうでも、秀逸なのがあってよかった。
「白馬で初めてのスキー」は実際いるよなこういう若者、と苦笑してしまうし、「地底探検隊」に至ってはSFショートショートの世界だ。


太子のキモかわいさには拍車がかかるばかりです。
性別すら不明なのか…(第161幕参照)。ギリギリもち肌なのか…(第168幕参照)。
笑いながら走ってるのに実は泣いてたりして、ちょっと不本意なのだがキュンとしてしまった。
対して男前な妹子が好きです。なんでこんなに妹子が好きなんだろう…


そして、増田先生がついに新撰組を題材に!
でも、かっこいい新撰組が好きな人は見てはいけません(笑)。
土方さんが「球」なのがもう、笑えて笑えてしょうがない。
「1人1人の個性が上手くかみ合」った結果、最終的に土方さんがその他大勢のボーリングのピンに突っ込んでいくコマがむちゃくちゃ面白い…
そりゃ近藤さんも「なんだこれ…」ってなるよ!
あーもう! アホで最高!


巻末あたりにはなんとうすた京介先生の描かれた「ギャグマンガ日和」が収録!
増田先生の描かれた「ジャガー」は「ジャガー」のコミックスに収録されるらしいです。両方のファンにとってはたまらんコラボだな!

そしてうすた先生版曽良くん超かっこいい!!!

芭蕉さんは…オッサンでした(笑)。
本家以上にオッサンでした。「妻村吹哉」に笑った。
うすた先生版の太子と妹子も見たかったなー。


あと、BLEACHとP2!の作者さんの応援イラストも載ってます。
私はどちらも読んでないので感動も薄いですが、ファンの方はきっとたまらんことでしょう。曽良くんはもうどうやったってかっこいいんだな。


アニメ第3弾も観ました。妹子の声がかわいくなっている! 相変わらずうさみちゃんかわいい!
うえだゆうじさんの「大人はね ずるいんだよ」が聞けてうれしかったです。



1〜7巻の感想はこちら
8巻の感想はこちら
ニックネーム 三森紘子 at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画・か行

2008年04月06日

40秒で支度しな!! 〜空知英秋「銀魂」23巻

0406

表紙のこいつ誰だよ!
と、しょっぱなからつっこみたくなる第23巻です。
回想シーンにしか登場してないのに、いきなり表紙に抜擢された金丸君、大出世!


定春のあくび顔がめちゃめちゃかわいかった。
桂は一瞬とてもかっこよかったのに、結局脱走するんかい! なオチで幻滅したような、安心したような。それでこそヅラ、と言いたいような。


今巻主に収録されてるのは幽霊…じゃなかった、スタンドが出るという温泉の話だったのですが、それを描いている間空知先生をはじめアシスタントのみなさんは原因不明のレーザービーム(下痢)に苦しめられたそうです。
祟りじゃないかと怖れおののきつつも何とか乗りきったそうですが、別に何ともなかった担当さんは一人だけお祓いに行ってきたそうです。担当さん…。
でもそんな話をページの合間に書かれると、読んでるほうにも何か起こるんじゃないかと思って怖がりながら読んだのですが、今のところ何も起こってません。よかった。
「閣下化」っていう言葉がすごいツボだった。かっかか…言いにくい。
どんなにアホなバトルをやってても、ちょっぴりハートフルな部分を入れてくる手腕はさすがです。
それにしても空知先生は泣けるバアさんの話が好きですね。
そのスタンド温泉話でパロってる「40秒で支度しな」は名言ですよね。「人がゴミのようだ」に次ぐ名台詞だと思います。○ーラ一家大好き。


ヘビースモーカーな土方さんの反対をよそに屯所内の全面禁煙議案を可決に押し切ったときの沖田が、すごい(負の方向に)いい笑顔をしている。
筒井さんの短編で「最後の喫煙者」っていうのがあったなぁ…。それを思い出しました。あれってラストどうなったんだっけ?(思い出せてなーい!)


またドラ○ンボールネタやってるし!
デルデがナ○ック星人と地球人の合いの子みたいでかわいかった。
グリリンとかブリーザとか、みんな元ネタがすぐわかる名前になってるのに、ひとりだけ「オッスオラ小林」ってなんでだよ!
なんか微妙にイラッとくる顔してるんだよ!(笑)
でもグリリンを失って泣く小林をほっておけない性分の土方さんは、基本的にはいい人なんだ。


アニメのほうも最近は哀しいくらい観られてないのだけど、こないだ久しぶりに観たらそこでもドラ○ンボールのパクリをおもいっきりやってたので笑った。
や、や、やりすぎです制作会社!(笑)
小西さんが栄口の声で「どんだけ〜」とか言ってたので笑った。うんそうだよね新八、今頃「どんだけ〜」はちょっと恥ずかしいよね。
新OPは曲の世界観が好きだなぁと思った。新EDはみんなの小さい頃がすごいかわいかった。特に山崎。



銀魂の感想は力抜いて書けるからラクでいいなー。
イヤ、ほめ言葉ですよもちろん!



1〜16巻の感想はこちら
17巻の感想はこちら
18巻の感想はこちら
19巻の感想はこちら
20巻の感想はこちら
21巻の感想はこちら
22巻の感想はこちら
ニックネーム 三森紘子 at 16:34| Comment(4) | TrackBack(0) | 漫画・か行

2008年04月05日

あるあるあるある 〜久世番子「番線〜本にまつわるエトセトラ〜」

0405

番子さんの新刊はあるあるが多すぎて、高速でうなずくために首が痛くなります。
もう口絵のカラーイラストからして!
「今日買ってきた本」「友だちに借りた本」「本棚に入りきらない本」「ずっと読んでない本」「今月号・先月号の雑誌」…って、まさにうちの部屋もこんな感じ!
ちょうど今も今日買ってきた新刊漫画をお楽しみにとっときながらティータイム中だし、友人に借りた本もまだ読めてないままテーブル付近においてあるし、昔いた会社の社長にもらった、なんかえらい人が書いたビジネス書は一向に読まれる気配なく置き物化してるし(社長すいません、でも全く読む気が起こりません!)、部屋の隅にはアフタが山積みだし(捨てれない…)。


私も国語の教科書大好き! カタカナ名前が頭に入らない! 私の横にはあなた、じゃなくて本棚〜!
本好きで、この漫画にひとつも共感するところがない人はいないと思う! そんな人は本好き違う!…というのは言いすぎかもしれないけど。


第一話では、「人に本を貸すときの本を入れる袋」について描かれてます。
私はまず本屋さんのビニール袋に入れ、それをさらに手提げの紙袋に入れて持っていきます。雨が降りそうな日にはビニール袋を二重にしたり。
手提げごと貸す場合もあるし、「中の袋だけでいいよ〜」と手提げだけ返ってくる場合もある。


なのだがしかし、私は人に本を貸すのが得意ではないです。
(人から借りるのはめっちゃ得意なんだけど。たぶん貸してくれくれオーラを全身から発しているんだと思う)。
だって、貸した本を相手が気に入ってくれるかどうかわかんないじゃん!
気に入ってくれたときはすごくうれしいけど、そうじゃなかったときは申し訳ない気持ちになるし、その本の良さを一緒に語り合えないことに対して残念な気持ちにもなる。
私自身はわりとどんなジャンルのものでも読めるほうなので、だから返って自分の選書眼に自信が持てません…。
感想を聞くのもためらわれたりする。
でも、貸した本に相手がハマってくれたときはほんとにうれしい。友人が「団地ともお」を好きになってくれたのはうれしかったなー。


国語の教科書で思い出深いのはやっぱり「赤い実はじけた」だろうか。
教科書ではじめて恋の話が出てきたので印象的だった。あと、「先入観」という言葉の意味をあの話で知りました。
星新一のショートショートを読んだのも教科書が最初だったし。がまくんとかえるくんの話もあったなぁ。
他にはタイトルを忘れたけど、おばあちゃんと「ぼく」が何十年かに一度の流星群を見に行く話が何故か好きだった。
自分のだけじゃなくて、弟の教科書まで読み漁っていたなぁ。美術の教科書も好きだった。音楽の教科書も、授業でやってない歌をヘタクソなピアノで弾いたりしてたなぁ…。
ああ、思い出が芋づる式に出てくる…。


そんなあるあるネタの他にも、写植屋さんや校正さん、国立国会図書館などのルポ漫画もあったりして、そっちのほうも楽しい。
トリックの穴見つけた校正さんスゲエ!


「本への愛が溢れまくり。」という帯のアオリにたがわない、読んでるだけで幸せになれるエッセイ漫画でした〜。
ニックネーム 三森紘子 at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画・は行

2008年04月03日

映画「Sweet Rain 死神の精度」を観た。

さっそく観てきました。
☆これから観る予定の方はネタバレ気味なのでご注意ください。あと、原作小説を読んだ上での感想になってます☆
小説の感想はこちら


続きを読む
ニックネーム 三森紘子 at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画

2008年04月01日

最近のほん 3月16〜31日

春は出会いと別れの季節!
というわけでわが職場でも、往く方と来る方がいらっしゃいました。
私がこの職場に来てまだ数か月ですが、本当によい関係を築いていただいてたので、お別れするのがとっても寂しかった…。
ちゃっかりメルアドをちょうだいしているので、これからも引き続きおつきあいよろしくどうぞなわけですが(笑)
代わりに新人さんも入ってこられたし、新たな出会いを大切にがんばっていきたいです!
こんな状態で先輩になってしまってどうしようかと思います(汗)


何やかんやでバタバタしていたら、センバツを全然観られてない…! ちくしょう。
近畿勢がんばってるんだね。埼玉代表(桐青モデル校なのか?)もがんばれ。みんながんばれ。
ほっぺにチューでリラックスとか、かわいすぎるよ。欧米か!(古い)


あと今、キャンドルの灯りで入浴するのにはまっています。
「電気代が節約できるわ☆」という貧乏性根性から始めましたが、電球をつけるよりも体感温度があったかい気がするし、なにやらムードも出ていい感じ。
飽きるまで続けようと思います。


しまった、エイプリルフールなのに嘘つくの忘れた。



●最近よんだほん


(漫画)
・田村由美「田村由美イラスト集1 BASARA 炎」
・田村由美「田村由美イラスト集2 BASARA 大地」
・小森陽一/久保ミツロウ「トッキュー!!」18巻
・福本伸行「賭博破戒録カイジ」全13巻
・伊藤理佐「おいピータン!!」1〜3巻
・福本伸行「無頼伝 涯」(コンビニ廉価版)
・福本伸行「賭博覇王伝 零」1〜2巻
・久住昌之/谷口ジロー「孤独のグルメ」
・泉昌之「かっこいいスキヤキ」
・花輪和一「刑務所の中」
・花輪和一「コロポックル完全版」


(活字)
・橋本治「江戸にフランス革命を!(中)」


今回はガロ系漫画をお持ちの方にたくさん貸していただいたので、そういうのが多かったです。
活字は全然読めてない…。反省。


「田村由美イラスト集」→画集&設定集? というか裏話がたくさん読めます。あまり賛同を得られないけど私は錵山将軍と角じいが好きなんだ…。本命は朱理。
「トッキュー!!」→相変わらず。もう惰性で読んでたりもするけどやっぱり面白い。真田さーん!
「賭博破戒録カイジ」→面白すぎて呼吸が苦しくなりました。何らかの脳内物質が出まくっていたのに違いない。黙示録のほうが何故か漫画喫茶に置いてなかったので、Eカードとティッシュ箱くじ引きの話をいまだに読めてないんだー!!
「おいピータン!!」→予想してた以上に良かった。続きも読みたい。
「無頼伝 涯」「賭博覇王伝 零」→福本さん…よくこんなに話が思いつくな〜!!すごすぎる! 零は美少年設定なのだろうか(笑)私は涯のほうが好みですが…
「孤独のグルメ」→めっちゃくちゃおいしそうです。一人で食べる食事、いつも「あたり」なお店ではないっていうのが面白い。
「かっこいいスキヤキ」→なんだこれ! こんな漫画読んだことねえ! サブカルってこういうものを言うのか。笑った。
「刑務所の中」→実録刑務所漫画ってだけで読む価値あった。刑務所ごはんがどれもおいしそう。
「コロポックル完全版」→かわいい! かわいい! なぜか涙が出そうになる。リアルな虫の絵とか苦手なはずなのに平気だったのは、「共に生きとし生ける愛しいもの」として描かれているからなんだと思う。すごく好き。
「江戸にフランス革命を!(中)」→なぜ(中)から読んでるかというと図書館に(上)が所蔵されてなかったから!オイオイ! 「オツ」と「粋」の違いについて勉強になりました。でも全部理解できたわけではない(笑)。



●最近気になるものいくつか


・3月に発売された、「ゴールデン・デイズ」「絶対可憐チルドレン」の最新刊をまだ読めておりません。なんということだ。
漫画喫茶で読もうかそれとも買おうか迷っているうちにこんなに時間が経ってしまった…
ゴールデンデイズはこの巻で完結なので買ってもいい気もするんだけど、うじうじ悩み中です。

・あと、通常版を持ってるのでもう買わないけど、小野不由美原作・梶原にき画の「東亰異聞」スペシャル版が出ているのが気になります。
どのへんがスペシャルなんだろう。ああ読み返したくなってきた! 漫画も原作小説も実家だー、くそー。

・尊敬する藤田和日郎先生が、新連載「月光条例」で週刊少年サンデーに帰ってきましたね!
第1話をさっそく立ち読みしましたけどやっぱり面白いいい! ぞくぞくする〜!
雑誌で早く続きを読みたい気もするし、コミックスでまとめて読みたい気もするし! どちらにしても週刊だと、単行本化も早くてうれしいなー。





↑これは通常版です
画像貼るの、楽しい…!
ニックネーム 三森紘子 at 20:48| Comment(0) | TrackBack(0) | いろいろ簡易感想