
ものすごーくゆっくりペースですが、じわじわ読み進めていますバッカーノ。
これは三作め。二作めのフライング・プッシーフット号事件と少し時間が前後していて、両方を知っていたほうが楽しめる感じ。
まずお気に入りだったのが、表紙や中表紙、口絵、挿画と、あらゆるところで使用されている、キャラクターが一人ずつ描かれた札たち。
花札か何かかしら? と最初は思ったんだけど、ドミノ牌だったんですね。
パタパタと、主流から枝分かれし、連鎖して疾走するドミノ倒しに世界を喩えてみせたこの物語にふさわしい、ぴったりのイラストでした。
それに、中央にましますイブ嬢がとにかく可愛いので! 上目遣いー!
そんな可憐なイブ嬢はなんと小悪党ダラス・ジェノアードの妹であった…。(アニメ観て、知ってたけど)
一作目を読んだときには、あんなどうでもいいしょうもない(失礼!)役回りだった人が、また話の表舞台に出てくるとは思いませんでした。
でも、どんな悪党にだって親兄弟はいるし、今回悪役だったグスターヴォにだって、愛し愛される相手はいるのかもしれない(あんまりいるようには思えないけど…笑)。
物事を一面からだけ見ていては本質を見誤るぞと教えてくれるので、群像劇は面白い。
寡黙な謎の男キース・ガンドールと、その妻ケイトとの出会いのエピソードはとっても素敵。
サイレント映画のオルガン伴奏者として働いていたケイトと、彼女の伴奏を聴くために映画館へ通っていたキース。
ケイトはキースという男とその世界を知るにつれ、彼の為に音を奏でたいと思っていた。
彼はまるで、サイレント映画そのものだったのだから。
素敵! キースという男をこんな風に表現することのできる奥さんは素敵。
そして、一方では「雄弁な男だった」とバルトロに評されたキース。彼の魅力とは、そのあたりにあるんでしょうね。かっこいいッス。
あ、私、ガンドール3兄弟が好きみたいだ。
「あの世界にはな、あっち側にはイーディスがいねえんだ!」
「俺の、俺の世界を壊さないでくれ!」
ロイのこの言葉にも感動です。
もし彼にイーディスという存在がいなければ、薬によってもたらされる快楽の世界から戻ってくることはなかったのかもしれない。
「イーディスがいる世界が、俺の世界だ」と、はっきり宣言したロイの愛と、ロイを見捨てずにい続けたイーディスの愛。
ロイはこの先、イーディスの手を絶対に離しちゃいけないと思う!
バカバカ言われながら尻にしかれるくらいがちょうどいいんだよ! お幸せに!
作者さんは今回「ほのぼの」を目指して執筆されたとのことですが、確かにほのぼのと言えなくもなくもなくもない(あれ、どっちだ…)、小さな恋のメロディがそこかしこで流れているような印象のお話でした。
バトルシーンはえげつないですけど、それは今に始まったことでもないので(笑)
相変わらず何処かで誰かを知らぬ間に幸せにしながら走り回る泥棒カップルにも、賛辞と拍手を。(出番少なくてさびしかったな)
フィーロの「マイザーさぁぁん」や、名前は出てないけどちょこっと登場したチェス君らしき人、クレアの「お楽しみはこれからだ」のカッコよさなんかが気になるポイントでした。
あと最後にもう一つ、ラックさんは何であんなに色っぽいんだろう…!
エナミカツミさんが描くラックにただよう色気はただごとではない。ス・キ…(笑)
とってもアニメを観たくなってきた(こっちも途中で止まってるのです)。
それからドミノつながりで、恩田陸の「ドミノ」を読み返したくなってきた(笑)。あっちも群像劇だしね。
「バッカーノ! The Rolling Bootlegs」の感想はこちら
「バッカーノ!1931」鈍行編・特急編の感想はこちら













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