2008年03月30日

CDショップに死神 〜伊坂幸太郎「死神の精度」

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映画を観る前に再読、間に合った〜。
ハードカバーの装丁もカッコ良かったけど、文庫版の表紙もカッコ良い。クール! お洒落!
基本カラーがなのは「雨」のなのかなぁ。


主人公の名は千葉。職業は「死神」。
これから死ぬ予定の人間を一週間調査し、「可」か「見送り」かの判断をくだすのが仕事。
何よりも大好きなのは、人間の作ったミュージック。CDショップが行きつけの場所。
重度の雨男で、晴れた空を見たことがない。
場合に応じて様々な姿で人間界を訪れる千葉と、彼にとって調査対象である人間たちとの、奇妙で、しかしどこかあたたかい6つのお話。


死神の千葉の魅力がとても大きい。
何しろ彼は人間ではないので、人間の価値観というのが当てはまりません。
死を与えるのが仕事なわけだから、人間の命を大切に思うこともなく、死にゆく人間に対して感慨も抱かない。
だから、大抵の仕事は「可」、すなわち「死んでよし」の判断をくだす。
例外的に「見送り」とした場合もあって、でもそれは対象者が未来の名歌手になる可能性を秘めていたからだというのが面白い。
死神にとっては完全に「ミュージック>人間」であるわけです。
人間側としてはたまったもんじゃないけれど、仕方ないのだ、彼は死神なんだもの。


そんなこんなで非常に浮世離れしている千葉は、一応人間の言葉は話せるのだけど、会話はどこか噛み合わない(容姿に自信のない女性に「わたし、醜いんです」と言われ、「いや、見やすい。見にくくはない」と大真面目に答えたり)。
中でも「旅路を死神」での、森岡という若者(こいつがまた憎めないカワイイやつである)との会話の噛み合わなさは最強で、本人たちは真剣なのにめちゃくちゃ愉快です。
伊坂作品の魅力のひとつに会話の楽しさというのがあると思うのだけど、この作品は特に会話がとぼけた雰囲気を生んでいて、生き死にに関する話なのに深刻にならず、過剰に悲愴さも出ず、ファンタジックなお伽噺を読んでいるよう。
まあ、死神とか出てくる時点で思いっきりファンタジーの範疇なんでしょうが…


人の死に興味のない千葉が見つめる、人々の人生。
ありふれていたり、愚かだったり、悲劇だったりするそれらの人生が、千葉というフィルターを通すことで、また違った輝きを放ち始める。
千葉にしかわからない、物語に仕掛けられたちょっとした驚き。感動と呼び変えてもよいかもしれない。
そしてそれに対し、少し立ち止まるだけですぐに通り過ぎていってしまう千葉が語り手だからこそ、読者は存分にニンマリできるのだと思う。


ラストのお話「死神対老女」での驚きは、ほんとに「ちょっとしたこと」なのだけど、なんだか妙にハッピーな気持ちにさせてくれるのです。
ちょうど、雨だと思ってカーテンを開けたら、そこに青空が広がっていたときみたいに。


「重力ピエロ」に出てくる春らしき人物も途中で登場するので、伊坂ファンはさらにニンマリできます。



映画では「上司が犬(しゃべる)」らしいので、さらにファンタジックな雰囲気になってるのかも。
金城武は「二枚目」より「二枚目半」の役のほうが合うと常々思っているので、この千葉さんなどはハマリ役なんじゃないかなぁ。
でも期待しすぎてもアレなので、できるだけフラットな気持ちで観に行きたいと思います。楽しみ。
ニックネーム 三森紘子 at 21:26| Comment(4) | TrackBack(0) | 活字・伊坂幸太郎

2008年02月03日

突抜頂点 〜伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

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今から伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」を誉めちぎりたいと思うので、ご了承願います。


こんなに早く読むことができるとは思ってなかった!
「むっちゃ読みたいけどハードカバーだし買えない、図書館で予約はしたけど順番待ちが長そうでいつになるやら」と事あるごとにこぼしていましたら何と、とある機会にプレゼントしていただきまして!
ダイヤの指輪もらうよりうれしいぞー!(本心) なんという果報者なのか私は。
「私の本当に今一番欲しいものを」っていうその気持ちがまずうれしい。


図書館仕様のビニールコーティングがされていないハードカバーを手にするのはずいぶん久しぶりのことで。
しばらく撫でたりさすったり眺めたりした後、おもむろにページを開き…一日で読破した。


ブラヴォー! ハラショー! エクセレーント!
面白い! としか言えなくて困っちゃう!!


「『伊坂幸太郎的に娯楽小説に徹したらどうなるか』という発想から生まれた、直球勝負のエンターテイメント大作」と紹介文にはあるが、まさにザッツ・エンターテイメント!!
読者を楽しませることだけに力を注がれた、最高級に魅力的な長編小説です。


仙台パレードの途中に首相が暗殺されるという大事件。その罪の濡れ衣を着せられた青柳雅春という男が、得体の知れない大きな陰謀から逃げようとする。簡潔にいうとそんなお話。
構成からしてしびれる。
まず第一部「事件の始まり」で導入部分を書き、第二部「事件の視聴者」で事件をテレビで外側から観ている人たちが書かれる。
そのあといきなり第三部「事件から二十年後」に時間は飛び、ノンフィクションライターの視点から事件について語られる。
そして、第四部「事件」でとうとう、当事者青柳雅春の、長い長い二日間の逃亡が書かれる。
彼がどんな結末を迎えたかは、ぜひその目でお確かめを。
第五部「事件から三ヶ月後」でしめくくられるラストは、切なくもあるし嬉しくもあるし、感無量でもある。


決して珍しくはない、むしろありふれた筋書きのこの物語がどれだけ面白いか、どんな言葉で表現しても陳腐になってしまいそう。
伊坂小説の醍醐味として、「張り巡らされた伏線」というものが筆頭に挙げられるけれど、ここでもそれは健在で、ビシッバシッと決めてくれる。
そうやってパズルのピースのように事象が当てはまっていくのを見るのは、本当にキモチイイ。
当人にしかわからないそれらのことを読者にもわかるようにしてくれて、ニヤニヤする幸せをくれる伊坂先生の手腕にはひれふすしかありません。
素晴らしすぎます。好きすぎます。


ロックな岩崎さんかっこいい。青柳のお父さんかっこいい。森田いいやつ。
ううん、登場人物一人一人挙げてっても、エピソード一つ一つ挙げてっても足りない。


とにかく、面白かったんだーーー!!! ってことを叫びたい。そこかしこに叫びたい。


そんなわけで、大大大満足の節分の休日でした。
今年の恵方は南南東!
ニックネーム 三森紘子 at 22:13| Comment(4) | TrackBack(2) | 活字・伊坂幸太郎

2007年08月30日

生きてるみたいに生きる 〜伊坂幸太郎「グラスホッパー」

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これも文庫化にあたり再読です。
よい表紙。ハードカバーのよりこっちが好き。


これは伊坂作品の中では、ちょっと異色なのかな。
帯では「最大の問題作」、解説では「正統のハードボイルド小説」と評されている。
どのへんが問題なのか、何がハードにボイルされているのか、言葉の意味がいまいちよくわかってないのだけど。


妻を殺した男に復讐を誓う「鈴木」、相手を自殺させる能力を持つ「鯨」、ナイフで殺しの下請けをする若者「蝉」。
三者の視点がかわるがわる入れ替わる形で物語は進み、さらに「押し屋」と呼ばれる殺し屋「槿(あさがお)」も絡んできて、事態は入り組んだ様相を呈してくる。


異色といってもおなじみの伊坂テイストは健在で、比喩や引用や含蓄に満ちた軽妙な会話はいつもどおり。
伏線が後々で効いてくるのも。
ラストの伏線は怖かった。寒くなる。
「朝の穏やかな陽射しが注」ぐ、のどかな日常に戻ったように思われた鈴木が、ラインを踏み越えてあちら側の世界に行ってしまう瞬間。
狂気は日常と地続きのところにある。と知らされてしまった。
でも好きなラストです。


鈴木の頭の中で繰り返し描かれる亡くなった奥さんの姿や言動が、とにかく魅力的。
元気だった頃の奥さんを鈴木は何度も思い出す。
だから余計に、彼女の死に様の描写は痛々しく、鈴木の深い悲しみと怒りの感情が静かに伝わってくる。


それから、岩西と蝉との最後の会話のシーンがすごくよかった。
岩西は最後の最後でかっこよくなりやがって。
蝉が結構好きだ。なんで蝉なんだろう。本名じゃないよな?
みんみんうるさいから? でも、若者ってわりとみんなうるさいし。


バッタは群れて数が増えすぎると、凶暴な飛びバッタになる。
人間もそうだ、と槿は言う。
考え出すと、やっぱりちょっと怖くなる。
ニックネーム 三森紘子 at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 活字・伊坂幸太郎

2007年06月25日

俺たちは奇跡を起こすんだ 〜伊坂幸太郎「チルドレン」

チルドレン

文庫版を購入しました。
表紙はハードカバー版と同じ絵。
このそこはかとなくユルいステキな絵が、他の伊坂作品の装丁とは一味違って、好き。
おそらく左端の男が陣内、右端が盲目の青年永瀬で、中央が盲導犬のベスだろう。


5つのお話の中心人物は陣内という男で、「ザ・伊坂小説」を体現したような人物である。
存在自体が騒がしく、口は達者だが言うことがコロコロ変わり(前言撤回が多すぎる)、ギターと歌が滅法巧い。
周りに迷惑をかけまくるけど、何だかとっても恰好イイ(本人曰く、「生まれてこの方ダサかったことなんて一度もない」)。


伊坂さんはこういうキャラクターが好きなんだろうなぁ。
確かに陣内はものすごく魅力的な人物だ。
でも私は、むしろ鴨居くんや武藤さん(奇人の傍の普通人)の方が好きだ。
「バンク」のラストで、鴨居くんが「ビルの影を飛び越そうと、助走をつけてジャンプ」するところが好き。


この人の小説って、どこか現実離れしていて、軽快で、だけど薄っぺらいわけじゃなくて、この世の悲哀や皮肉もまじえつつ、でも生きてるといいことあるよね、という気持ちになる。
本を読んでそういう気持ちになるのって、改めて考えてみると、それもひとつの奇跡なんじゃないかなぁと思う。


伊坂小説の感想はもう何度も書いているので、あんまり書くことがなくなってきた…
ちょっとだけ幸せになりたいとき、これからも伊坂小説を開こうと思います。
ニックネーム 三森紘子 at 22:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 活字・伊坂幸太郎

2007年06月12日

ささやかで幸福な 〜伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」

フィッシュストーリー

今回は短編集。
連作短編集は他にもあるけど、純粋にひとつひとつの話が独立した短編集は、今回が初めてだ。
まあ、伊坂小説はどの作品も互いに少しずつリンクしているから、完全に独立しているわけでもないのだけれど。


「フィッシュストーリー」とは、ホラ話、作り話という意味だそうだ。
じゃあ、伊坂さんの小説は全部これに当てはまるな。
壮大なホラ話。
「そんなことってあり?」「でも、ほんとにあったらすげえな」みたいな。
「ウソから出たマコト」的な、ささやかだけど幸福な奇跡に、いつもニヤリとさせられるのです。


この本に収録されている4作品には、すべてそんな仕掛けが用意されている。
ひとつひとつは短いし、黒澤さん的にいえば「だから?」って感じのお話なのだけど、読み終わると後に残るのはやっぱり、ささやかで幸福な満足感。
「なんか、いいもの見たな」という、ふくふくとした気持ちである。


ラストの話「ポテチ」に登場するカップルが、何か良かった。
今村はチャーミングで愛しいし、大西は男前で素敵。
伊坂さんの書く、男前な女性キャラクターが好きだ。
今村とその親分は、「ラッシュライフ」にも出てきてたらしい。
もう忘れちゃってるな。そのうち読み返そうっと。


そして、いろんな作品に登場する、泥棒(本業)で探偵(副業)な黒澤さん。
ずいぶん読者に人気あるみたいだけど、納得!
ほんとにもう格好いいなぁこの人は。
「サクリファイス」での、唄子おばあちゃんとのかけあいが良かった。


伊坂さんて今、モーニングで小説連載してるんだよな。
面白いことやってらっしゃるなぁ。
気になるけど、途中から読むのも何だから、単行本化するまでガマン!
そして、「アヒルと鴨のコインロッカー」の劇場公開が楽しみすぎてしょうがない。
ニックネーム 三森紘子 at 21:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 活字・伊坂幸太郎

2007年01月05日

どうかな、河崎? 〜伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」

アヒルと鴨
読んだのは二回目。
面白かった。本当に面白かった。


何年か前に図書館で手に取ったのが、最初だった。
ヘンなタイトル、どういう意味だろう?と興味を持ったのが一つ。
あらすじ紹介に、「悪魔めいた長身の青年」とあるのを見て、ほほう、一体どんな青年じゃろかと気になったのが一つ。
という非常にしょうもない理由から読み始めたのだが、それが伊坂ワールドへとどっぷりはまっていく道の序章であったのだった。


大学へ通うためアパートに引っ越してきた椎名は、隣人の河崎と名乗る青年に出会う。
彼は唐突に「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてくる……という、現在の話。
それから、琴美、ブータン人のドルジ、河崎がペット殺しの犯人グループに迫る、今から2年前の話。
現在の話と2年前の話が、交互に語られる。
この構成が、とても効果的だ。

読みすすめて行くうちに無意識に積もっていく、気づかないほどかすかな違和感の理由が終盤で明かされる。
思わず最初の方に戻って、パラパラ読み直したくなる。
すごいなー。見事だなぁ。と感心することしきり。

伊坂幸太郎の小説の、徹底的に張り巡らされた伏線と、フレーズの繰り返しによってそれが効いてくるさまは、読んでいて本当に気持ちがいい。

ラスト辺りは、軽く武者震いしながら読んでいた(端から見たら完全にあぶない人だ)。
ドルジの、河崎の、琴美の、それぞれの思いを想像すると、胸がきゅっと締め付けられるようだった。かなしい、というのともちょっと違う。せつない、というのに、ちょっと当てはまる。

そういえば、これも初読のとき、ボブ・ディランのCDを試聴しにCDショップへ行ったんだった。
なぜなら、作中で彼の曲が重要な役割を果たすからだ。つくづく影響されやすい。
映画では流れるだろうから、いっぱい聴くことができるだろう。

でも…これを、どうやって映画にするんだろう?
まったくこの話のままで、というのは無理だろうから、原作とは少し違うものになるんだろうけど、それにしたって難しそうだ。
うーん、どんななんだろう。


あー、それにしても面白かったなぁ!幸せ。
ニックネーム 三森紘子 at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 活字・伊坂幸太郎

2007年01月01日

タップを踏むように 〜伊坂幸太郎「重力ピエロ」


新年あけましておめでとうございます。
よい一年でありますように。



記念すべき2007年最初の感想文は、単に再読したばかりだという理由で「重力ピエロ」にいたします。



伊坂幸太郎は兄弟を書くのが好きみたいだ。
「重力ピエロ」にも、かっこいい兄弟が出てくる。
兄弟だけでなく、その父親や母親もかっこいい。
「かっこいい」というのは、最高の賛辞だと思う。
「格好」が「良い」、つまり生きる姿勢のステキさを誉める言葉なのだ、本来は。


兄の泉水と、弟の春はごく普通の、仲の良い兄弟。
母はすでに他界している。
父は癌で入院中。
それでも幸せな家族の過去には、消すことのできない出来事があった。


伊坂幸太郎は、善なる者を信じているのと同じくらいの強さで、悪の存在を信じているように思う。
自分が善だと言い切れるはずもないけれど、それでも、打ちのめされるしかないような圧倒的な悪意がこの世に存在することを。
けれど春や泉水は、それにただ打ちのめされることはしない。
それぞれのやり方で、対決しようとする。


兄弟と父親が、病室にて三人でローランド・カークのCDを聞くシーンを追体験したくて、CDショップに行ってみた。
ローランド・カークとは、盲目のジャズ奏者。
作中に出てきた「Volunteered Slavery」は残念ながら見つからなかったので、他タイトルのアルバムを買って帰った。
聴くとすごく良くって、春の言葉をふと思い出した。


「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」
「重いものを背負いながら、タップを踏むように」
「ピエロが空中ブランコから飛ぶ時、みんな重力のことを忘れているんだ」
(途中地の文略)



読み終えて、この家族が大好きだと思えた。
本当にみんな格好いい。
胸を奮わせるこの感じをわかりやすい言葉でいうなら、「感動」ということなんだろう。
でも、他に何かいい言葉があるような気がする。それが何かは今のところわからないけれども。


文庫版には解説がついていて、これもなかなか面白かった。
私はあとがきや解説を先に読んでしまう方なのだが、解説にもピンキリがあるな…と思う。
どういう基準で選ばれた人が書いているんだろうか?
ニックネーム 三森紘子 at 22:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 活字・伊坂幸太郎

2006年12月05日

というわけで銀行強盗は四人いる。〜伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」


なぜかこれ、ノベルス版と文庫版両方を持っている。
文庫版の方が解説がついててお得だけど、ノベルスの二段組みの方がこの話に合っている気がする。なんとなく。

私の初体験イサカは「アヒルと鴨のコインロッカー」なのだけど、2番目くらいに読んだのが本作。
これぞ彼の真骨頂!と快哉を叫びたくなる、めちゃくちゃ面白いギャング小説である。

伊坂幸太郎の魅力については、カバー折り返しで池上冬樹が述べてくれている。


「スマートでスピーディでスタイリッシュ、そして実にユーモラス。会話はリズミカルで、味わいはちょっとシニカル、展開は何ともオフビート。それでいて伏線が周到に張られていて、終盤で生きてきて、見事なエンディングを迎える。」


何も付け加えることはないですね。
こんなふうに簡潔かつ的確な文章を書けるようになってみたい。

上でも触れられているけれど、伏線の張り方がすごくいい。
ただの会話の延長だと思って読み飛ばしていたところが、実はこんなふうにつながっているなんて…!
興奮状態のまま、ページをめくるのももどかしく一気読み。
読書の醍醐味といえましょう。

それから、キャラクターがみんないい。
何というか、人生に余裕のある人ばかりなのだ。
物質的な余裕ではなく、精神的な余裕だ。
せっかくの戦利品を横取りされても、最悪だと嘆きながらも、何だか楽しんでいるように見える。
日本が沈没しても、エイリアンが襲来しても、彼らは文句をいいながら何だかんだで生き延びそうだ。
楽しくって打たれ強くてしぶとくて、愛すべきギャング達に拍手!!


今年映画にもなったので、知名度が上がったみたい。
映画は後半の展開に「ん?ん?」となったところもあったけど、響野役を佐藤浩市がやってくれただけで満足だ。
名台詞「ロマンはどこだ」を佐藤浩市の声で聞けて嬉しかった。
ニックネーム 三森紘子 at 21:11| Comment(2) | TrackBack(1) | 活字・伊坂幸太郎