2008年12月13日

欲ばりになっちゃえ 〜椎名軽穂「君に届け」8巻



その人のいいところを自分だけが知っていて、その良さをみんなにわかってもらいたいと思う。
でも、その人が周囲に受け入れられるほどに、自分だけのその人じゃなくなっていく。自分がいなくたって、その人は笑っていられるし、そもそも「自分だけ」なんて思うこと自体が、うぬぼれの錯覚でしかなかったような気がする。そんな自分が嫌になる。


というわけで…独占欲でジリジリする風早くんの8巻(笑)
実はそんなに博愛精神に満ちた人でもないんだよね。言うときは言うし。
でも新しいクラスで、サッカー部のクラスメートと超自然に打ちとけている様子を見たりなんかすると、ナチュラルに愛されとる人やな、今まで拒絶されたことないんやろなという感じはします。
そのへんがケントやちづの言う「遠い」ってことなのかな。けど好きと遠い近いは関係ないよね!
爽やかじゃない「人間・風早」がたくさん見られるのは喜ばしいことだと思います。がんばれ風早!


ハタから見てると「じれったい! 早くくっつけ!」と思ってしまう二人だけど、それはまあ、ハタから見てるから言えることであって。
ほんとに好きな人相手に、自分が好かれてる自信なんて持てないよなー。
風早にどう接していいのかわからなくなって、嫌われるのが「こわい」と泣く爽子の感情は矢野ちんが言うように至極当たり前のもので、それだけ爽子の気持ちが成長した証でもあるんだな。


新キャラ・三浦ケントの意図がいまいちわかんないんだけど…。
本気で「博愛主義」のもとに爽子を気にかけてるだけなのか、それともこれから爽子のことを好きになるっていう布石なのか?
まあでも彼は、最終的には爽子と風早のキューピッド役になってくれる(←と勝手に断定)んだろうから、いいんですけどね。
彼の彼女になる人は大変だろうな〜と思う。


そしてピンの天然教師ぶりがおそろしい…
何も考えずに吐いてる言葉が、結果的に教え子への的確なアドバイスになっているという怖さ(笑)一体何なんだろうこの男…。
「愛を…語ればいいジャン!」には笑いました。


校舎裏で向き合うちづと龍にドッキドキです。ラブい雰囲気とかではまったくないけど。
あとはトモちゃんがひそかに好きです。いい子だしかわいくない? 頭の形キレイじゃない?
ていうか8巻こんなところで終わるなよー!(笑)


7巻の感想はこちら



↓どうでもいい話
近所の文房具屋に、「届け用紙」と書かれた看板があるんだけど、あれをどうしても「届け!用紙」と心のなかで音読してしまう。「この用紙、君に届け!」みたいな(笑)
ぜったい「君に届け」を読んだせいだよな〜と思いつつ、今日も店の前を通ってきました。心なしかロゴデザインも似てる気がする…(笑)

タグ:椎名軽穂
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2008年10月11日

命をかける覚悟あり 〜藤田和日郎「月光条例」2巻



1巻は月光がメインでバンと出てましたけど、2巻メインは鉢かづきちゃんだと言っていいんじゃないでしょうか。
鉢かづきちゃんカッコイイわ〜!


「私は自分の使命に命をかけております。
ならば! かけた命に…
男女の違いなどあろうはずはないでしょう!」



武器に姿を変えた鉢かづきを使い、ねじれた「おとぎばなし」を元通りに正す「執行者」となった月光。
女の子を武器として使うことを避けようとするのは月光の優しさであるのは間違いないんだけど、鉢かづきにとってそのことは口惜しい以外の何物でもなかった。
啖呵を切り、一人で戦う鉢かづきを見て、月光も、そして一寸法師も、覚悟を決めようとする。
月光は鉢かづきと共に戦う覚悟を、一寸法師は自分のせいで家を追い出された姫を命がけで守る覚悟を。


「『やらねばならぬこと』は 自分のみが知っておりまする。」


鉢かづきちゃんのこの言葉、すごく胸に響く。というか耳に痛い(笑)。
エンゲキブの「どんな運の悪いヒトだって、完璧に不運の犠牲者じゃないのよ! きっと抵抗できるのよ!」という言葉も響いたなぁ。
運命に流されるだけじゃなく、自ら抗って生きていくラストの姫と一寸法師は、とてもお似合いの二人です。
月光たちのところに留まることにした一寸法師は、「うしとら」のイズナみたいなマスコット的存在になるのかな。


それから、鬼の太郎丸の笑顔がよかった!! 拷問を受けてボロボロになりながらも一寸法師に見せたあの笑顔。
あんな素敵な笑顔はなかなかないよ。
密かにファンになってしまった。再登場してくれないかな太郎丸。


次のおはなしは「シンデレラ」。
このものすっっごく凶悪そうなシンデレラが、新キャラの天道と一悶着あるのかな? 楽しみです。


それにしても、藤田先生の描く姫(純和風)は美しい。
巻末では、西森博之先生のFAXも見られてお得です☆ お二人が仲良しなんだとわかっただけでもうれしい。
あと、クイズでは恒例の迷キャラクター(笑)がまた生まれてます。ニャルラトホテプ8世? 誰だそれは!


1巻の感想はこちら


タグ:藤田和日郎
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2008年09月23日

走る姿は心の姿 〜原作・三浦しをん/漫画・海野そら太「風が強く吹いている」3巻



どうしたらこの面白さを言葉で表せるんだろう?
どうして全てのコマが、読んでいてこんなに気持ちいいんだろう?
コマからマイナスイオンでも出てるのか? いや、それをいうならアドレナリンか?
本当に、何なんだろう?


3巻の表紙は、カケルとユキ&王子でした!
カケルが微笑を浮かべているのも、心境の変化をうかがわせるよう。


いよいよ本格的な練習が始まり、タイムも順調に縮んできたアオタケメンバー。
しかし、まだまだ強豪と渡り合えるだけのレベルでは到底なく、カケルはいらだちを募らせる。
どうしたのかと訊いてくる皆に対し、ついに気持ちを爆発させてしまうが…
寛政大学陸上部はいよいよ箱根駅伝予選会へ!


スランプを越えて、またひとつステップアップしていくカケル。
かつて藤岡さんにかけられた「強うなれ」という激励の言葉。
「速く」ではなく「強く」。着実に、そこへと近づいているように思えます。
カケルだけじゃなくて、他のアオタケのみんなも。バリバリ文系の王子も、最後まで嫌がってたユキさえも。
カケルがいた仙台城西高陸上部は、「チーム」じゃなかった。でも、今のアオタケは「チーム」と呼ぶにふさわしいのではないかと思う。


そしてやっぱり東体大の榊がいい。榊が出てくるとテンションが上がる。
榊としゃべるときはカケルもつられて地元の言葉に戻るところがまたいい。
高校時代、カケルが監督を殴って部自体が大会出場停止になったとき、原因を作ったカケルを榊は恨めしく思っただろうけど、でも他の部員のように、「蔵原が消えた、速い奴がいなくなってくれて良かった」と喜ぶ気にはなれなくて。


あの頃、たった一人で走っていたカケルが、今は仲間と一緒に走っているということが、榊は悔しいのかもしれない。「今それができるなら、なんであの頃やってくれなかったんだ」って。
憎まれ口をたたきつつ、調子の出ないカケルを見て心配してしまったり、何度負けようが勝つための努力を絶対に惜しまなかったり。
そういう風に思える相手がいることは、榊にとっていいことなのかもしれないなぁ。


ニコチャン先輩が17分台を切った瞬間…ゾワッときた! めちゃめちゃうれしかった!
17分まであと2分弱、というところまできたときの、「また17分切れるって期待してるオレがいる…」には泣いた!
ほんとに…ほんとに良かったね、ニコチャン先輩!(ついでに王子も!笑)


得体の知れないハイジさん。底が見えなくて怖い。
第28路ラストの大ゴマの顔なんてすごいよ、すごい表情してるよ!?
その視線がまっすぐであればあるほど怖いって、どういうことなんだ…。でも好き。


藤岡さんが(顔に似合わず)すごくいい人だったり、カケルが五反田を「ゴハンダ」と読んでたり、王子の読んでる漫画が「デトロイト・メタル・シティ」だったり、楽しい部分もたくさんありました。
古賀さんはほんまにセクシーやわぁ…。えらい色気を醸し出してはる…。
あと、ニラ(犬)がかわいい! 葉菜子ちゃんはもう少し存在感が出るといいなぁと思います、せっかくの女の子キャラなんだから。


2巻が出たときも、今回3巻が出たときも、前の巻を引っ張り出してついつい初めから読んでしまった。
ああ、面白い…。
海野そら太さんの漫画は、私とよっぽど相性がいいみたいなので、前作の「女子アナ魂」も買っちゃおうかなぁと悩み中です。



1巻の感想はこちら
2巻の感想はこちら


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2008年09月15日

てめーのお日さん 〜空知英秋「銀魂」25巻



「見開きを使うとジャンプっぽい」というサブタイトルには笑いました。いやいやいや。ジャンプ漫画じゃないですか銀魂。200回以上連載続いてるじゃないですか。
でもそういえば、この漫画で見開きってあんまり出てきたことなかったか。


今巻から始まったのは吉原炎上編。
吉原を照らす日輪(ひのわ)と月詠(つくよ)という2人の女、母親の日輪太夫に会いたいと願う少年晴太、神楽とその兄・神威。複数の軸を中心に、物語は進みます。
でも、25巻は月詠の巻でしたね。今回の表紙は内容を正しく表している。


月詠はよかった。月詠はいい女だよ。
登場シーンなんてしびれたもん! 「棘が刺さるぞ」でゾクゾクきました。惚れてまうやろー!
禿(かむろ)時代の月詠もめっちゃかわいい。惚れてまうやろー!(しつこい)


「どんな場所だろうとよ どんな境遇だろうとよ 太陽(おひさん)はあるんだぜ」
「背筋しゃんとのばして お天道様まっすぐ見て生きてかにゃならねーんだ」

吉原の空にバカでかいおひさん打ち上げてやる、と戦いに向かう万事屋一行。
銀さんはいつも変わらず銀さんでいてくれる。心が、志が、魂が折れないために、「てめーのルール」に従って生きている銀さんは、どんなにくだらないことをしてても常にカッコイイ。カッコイイったらカッコイイ。


「わっちも人に頼るばかりじゃなく 自分で捜してみる気になったのさ
てめーの太陽(おひさん)という奴を」

銀さんたちと出会ったことで、月詠の中で何かが変わっていく。
日輪を護るという言い訳を隠れ蓑にして、護り続けてきたのは日輪でも吉原でもなく、自分自身で作り上げた檻だった。
その檻を破るために戦う。まっすぐ立って、空を見上げて、太陽に向かうことができるのは、その光を受けとめる覚悟のある者だけなのだから、もう一度立ち上がったとき、月詠は日輪を近くに感じることができたんだろう。


その月詠と対をなす存在として描かれる日輪はまだ回想シーンで語られるのみで、存分に魅力が発揮されていないように思うので、そのあたりは次巻に期待すればいいのかな。


カッコよくクナイを打ち落とした銀さんの眉間に一本刺さってたり、それをごまかそうとしてどんどんドツボにはまってくところが好きだった。
戦いの最中でもあれだけページを割いてギャグやるところが銀魂ならではだよなー!
「はちきれビーチ三太夫」も、一瞬こっちの目がおかしくなったのかと思った(笑)すごいビジュアルだった。しかもバックの模様が桃! その恰好のまま真剣に応戦してるのも可笑しくてしょうがなかった。
あっ、でも「爆乳」の名の通りなんだなあ、この胸の爆弾!(笑) つじつまが合っている!


夜兎一族、というか神楽一家もどうなっていくのか気になる。
「自分の戦場は自分で決める 血ではなく魂(こころ)で」という神楽の啖呵は本当にカッコよかった。
もうほんとに女の子みんなカッコイイんだよなぁ! 色気はないかもしれないけど(笑)
あと、若き日の星海坊主が髪の毛フッサフサなのに「うわー」となった。父ちゃん…素敵!(笑)



22巻の感想はこちら
23巻の感想はこちら
24巻の感想はこちら

タグ:空知英秋
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2008年08月12日

成長痛 〜海野つなみ「回転銀河」5巻



密かに大好きだったこのシリーズ、復活してくれてめちゃんこうれしいです。
各話ごとに視点の入れ替わるオムニバスという構成がどストライクであるうえに、それぞれの秘めた思いが浮き彫りになっていくのだけれどシリアスになりすぎず、作品全体にのほほんとした空気が一貫して流れていたりするところに、惚れています。
表紙も毎回素敵なんだけど、5巻もまた素敵! 何気ない、他愛ない日常風景に潜むドラマチック!(笑)


「成長には痛みが伴うもの。甘い痛みも含めて。」
と、作者コメントで海野先生はおっしゃっていますが、ならばこの作品は成長途上な少年少女の成長痛の記録でもあるのか。


悪魔のように美しい天野兄弟(双子)に憧れて、髪型も持ち物も真似をして、友だちとしてふるまっても全く相手にされなくて、挙句、天野の権力によって転校させられるハメになった松崎少年の話(「最後の日」)は、ほんとに痛々しいというかなんというかな話なんだけど、5巻の中では一番好きである。
「友情にも片思いってあるんだね…」とは、『フラワーオブライフ』(よしながふみ著)での坂井さんの言葉ですが、松崎の双子に対する感情は、まさしく一方通行の片思いでした。
ただ好きだったんだよなあ。彼らのようになりたくて、彼らと仲良くなりたくて、でも松崎のプライドは、彼らに存在自体を否定されたことでその感情を憎悪にすり替えた。


「愛情も憎悪も 最後まで彼らには何一つ届かなかった」
徹底的にうちのめされて、屋上で一人泣く松崎。最初から最後までが、独り相撲だった松崎。
ブラックホールのように最後は爆発して、そして新たな星として生まれなおすことができたんだろうか?
何年か後に、「あ〜もうあの頃の俺のことは頼むから忘れて! 死ぬほどカンチガイ野郎だったから!」と赤面して騒ぐことができるくらい、大人になっていられたらいいのにね。


それに、ちょっとは私も覚えがあるんだよね…恥ずかしいことに。
子どもの頃、ある人に憧れて、その人が身に付けたり使ってるものが全部魅力的に見えて、そんなつもりないけど偶然…とか言い訳しながら真似っこしてたときが。
相手にしてみればうっとおしい以外の何物でもなかっただろうけど、今にして思うとなんて不器用な愛情表現であったことよ。
ああいうのは程々にしといたほうがいいですね。


「クロニクル」は、どこかで見たような人たちが出てきたなぁ…? と思っていたら、「デイジー*ラック」の人たちだったのですね! な〜つかしい!
ミチルと貴大のあのキスシーンは当時ムチャクチャときめいたので、貴大視点でまた見ることができてよかった〜。
手芸部部長の話も、痛みを痛みのまま、美化せずに描いてあるところが好き。部長ってば乙女。


あとがきによると6巻も出るらしいので、今からウキウキです。
和倉ちゃんと天野兄がとうとうどうにかなるらしくて、すっごい気になる。でもきっと甘い展開にはならないんだろうな〜。



↓せっかくだから既刊の表紙も全部並べとこ(笑)





タグ:海野つなみ
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2008年08月09日

人生は楽しんだもん勝ち 〜宮本福助「この度は御愁傷様です」



宣言通り、買いました。
すごい面白かった〜! これ好き!


「遺産分配はダーツで決めろ」
「楽しめよ」

そう言い遺して逝った、坂上徳造・享年七十八歳。
残された三人の子どもと孫一人は、破天荒だった彼の遺言に振り回されてんてこ舞い。
死んでからも彼の生家には、友人・知人・愛人・隠し子、ヤクザに社長に元プロ野球選手と千客万来で、ひと波乱、ふた波乱どころの騒ぎじゃありません!


とにかく一冊まるまる笑い続けました。
ずっと声を出してあっはっは! って感じではないんだけど(そういう場面も何個もあったけど)、ずーっと楽しい。すごく楽しい。
それはきっとここに登場する人々がみんな元気だからなんだろうなぁー。


ほんと元気! 平均年齢がやたら高いのにもかかわらず元気。
その筆頭は徳造じいちゃんのお父さん(!)で、御年百歳にしてテンガロンハットを粋にかぶって外国人美女を侍らしているというパワフルさ!
その他にも、七十八歳で140キロの球が投げられる野球選手がいたり、いい年した大人集団が本気で雪合戦を始めたり、いい年した大人集団が埋蔵金を掘り起こそうと躍起になったり、いい年した(以下略)


三郎さんがダンプに跳ねられそうになった珠世さんを助けようとダイブする場面は、大笑いしながらも三郎さん(80)の輝く笑顔にドキッとしてしまった!(笑)
二人の間に恋が芽生えたのもある意味、納得。吊り橋効果もありそうですし。
若者の仁君より素早く飛び出すなんて、珠世さんによっぽど惚れちゃったのね三郎さん〜。
三郎さんはその後にも、仁君の打った球をスライディングキャッチしたりと、非常にアクティブなご老人で好きです。


私はお年寄りが元気な話が好きみたい。
こっちも元気になるから。安心するから。
こんなふうに歳を取りたいなぁ〜と思えるから。
安心して楽しい老後を送るためにも、今から貯金しておかなければ! という結論に至りました。やっぱり、お金は大事(笑)。
そう思うと、徳造じいちゃんの遺産(一億)に目の色を変える皆さんを笑う気にはなれないな!
いつまで生きられるかはわかりませんが、備えあれば憂いなしだし。


人が死ぬと残された人は悲しむし、どれだけの人が悲しんだかで、その人がどれだけ愛されていたかがわかるのも事実です。
けど、残された人に悲しむヒマも与えないほどたくさんの爆弾をこの世に残していった徳造じいちゃんは、周りから愛される以上にもっとずっと、周りの人を愛していたのかもしれない。
じいちゃんが残した諸々の爆弾は、「楽しめよ」というメッセージ付きの愛情だったんじゃないかなぁと思いました。
まあ三兄弟にしてみれば「そんな愛情いるか!!」って感じだろうけど(笑)
何しろ、遺産分配のダーツの的の大半は「タワシ」なんだもんね(笑)どこのフ○ンドパークですか…。


色々笑う箇所があったんですが厳選しますと

・ダーツが弁護士先生のメガネのフレーム中央に直撃
・ヤクザが押入れを開けると中にはぷるぷる震える弁護士先生がちんまり座って「入ってますよ」(→静かに戸を閉めるヤクザ)
・坂上三兄弟のババ抜き対決
・うっかりが重なって徳造家炎上(「火事だー!!」と逃げ惑う老人たち・金田さんはさすがに速い・笑)

笑わせていただきました。
ギャグ調にディフォルメされず丁寧に描き込まれてるから、余計笑える。
あと、本作に登場する唯一(?)の若人、仁君はカッコイイと思います。スマート。この祖父にしてこの子あり。


一巻ものとは思えない内容の濃さで、本当に楽しかったので、同じ著者の「拝み屋横丁顛末記」も俄然当然読みたくなってきました!
って、そんなことばかり言ってるので、「読みたい本リスト」はどんどん増えていくのにぜんぜん消化できてない! あれもこれも…はぁぁ〜。


そんなこんなで、とってもオススメな作品です!


タグ:宮本福助
ニックネーム 三森紘子 at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画・か行(その1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月02日

忘れられない 〜椎名軽穂「君に届け」7巻



ふおおーー! 読んでて変な声が出てしまう!


爽子の喜びは、私の喜び。爽子の笑顔が、私の幸福。そんな人が全国にいっぱいいるのじゃないかと思うし、私も間違いなくその一人なのですが(笑)
心から幸せをあげたい。そう思えるのは、爽子が「幸せ」を「幸せ」と感じることのできる心の持ち主だからだ、きっと。
幸せって自分の心で決めるものなんだなぁと、爽子を見てると思いますよ。
でも、幸せに「なってほしい」じゃなくて幸せを「あげたい」なんだよな…! ちづもやのちんも、そういう気持ちなのではないでしょうか。


7巻は、大晦日の誕生日に初詣、さらにバレンタイン! と、悶えまくりなイベントが目白押し!
転びそうになってどっきり急接近とかもあったりして大変盛り上がりました(私が)。
爽子のメルアドの「1231」で大晦日が誕生日だって気づいた風早は超グッジョブ!
爽子の性格じゃ自分からはまず言えないだろうし。しかもこのタイミングで〜!
奇跡だよ。運命だよ。神様のごほうびだよ。爽子にはそれぐらいのことが起こってもいいよ。


「黒沼は何やっててもなんか楽しそうだから
楽しいこと見つけんのがうまいんだなーって思ってた」



という風早の言葉、とってもうれしかった。
身の回りの人や物や事を、大事に大事にして毎日を暮らしている爽子のことをちゃんとわかってくれてる。それだけいつも爽子のことを見てたんだなぁ。
風早が爽子のこと気になり出したのは、初めて会ったとき笑顔を見て以来なわけだけど、その後同じクラスになって、爽子の内面を知っていくうちにどんどん好きな気持ちが大きくなっていったんだろうなーと思う。
でも、爽子の最初のその笑顔って風早が引き出したわけだし、実際風早と一緒にいるときの爽子が一番かわいいんだもん…出会うべくして出会った二人って感じじゃないのかこれ…!


「義理ではとても渡せない
本気すぎて 渡せない」



風早のために作ったバレンタインのチョコを、結局渡せなかった爽子。
ああんもう何やってんだよー! それ渡しときゃあ万事がうまくいくんだよもー! と一方では歯噛みしながらも、とても爽子らしい行動だったのではないかとも思いました。
遠回りになってしまったかもしれないけど、その遠回りは決して無駄なことじゃないと、自分の気持ちにも他人の気持ちにも真摯に向き合う爽子にとって、無駄なことには絶対にならないと信じてる。


どうも上手く文章にできませんね…。爽子が好きすぎて。


あとは、ちづと龍がいい感じなのがよかったし、陰ですんごい貢献してくれたやのちんにお疲れ様と言いたい。
というか、ピンとやのちんは常にフラグが立ってるんですけど、本当にピンでいいのかやのちん…!?(笑)
それから、風早に電話するとき緊張で片言になってる爽子と、「2人の気持ちを私が台なしにするものか」とすごい形相で泣くのをガマンする爽子がかわいい! ラブ!



6巻の感想はこちら

タグ:椎名軽穂
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2008年07月20日

寧々様デレ期突入 〜美川べるの「学園天国パラドキシア」3巻



あいかわらず、ハイテンションでバカバカしいことをやってるミカベル先生の作品が好きです。
(この場合、「バカバカしいことをやってる」がかかる語は「作品」であって「ミカベル先生」ではありません、念のため・笑)


ツンデレが特別ツボなわけではないけど、寧々はとってもかわいい。
通に言わせると「早すぎ」なんだそうですが、めでたくデレ期に突入です!
「べっ別にアイツらなんかどーなってもかまわないんですからね」とか、台詞がベタベタなのがいいなぁ。


大掃除のときの寧々の顔がメリーさんみたいで特にかわいかった。そういやメリーさんもツンデレっ子ですね。
坂神の何がそんなにいいのかはよくわかんないけど(ツッコミ役としては存在感ピカ一だが、主人公としては正直どうなのか…)、寧々と坂神がいつまでもお互いフルネームで呼び合ってるのには萌えます。
ツン台詞の途中で食欲に走ってしまうヒロイン凛ちゃんよりは、少なくともはるかにヒロインらしい(笑)


でもまあ、凛ちゃんは「ヒロインらしくないヒロイン」というキャラクターが確立しているのでいいんじゃないかと思います。
ていうかこの子、体育祭にノーブラで挑んでるんじゃないのか…?
第26話扉絵の「タートルネックにサスペンダー」も大変いやらしくてよかった。完全にお色気対象としてしか見られなくてごめんなさい凛さん。
そういえば、ファザコン設定があったはずだけど、最近出てこないなぁ。


七緒と一成のしょうもなさも好きです。
ほんとうにしょうもないなぁ…。なんですぐバレる嘘をつくの!? なんでそんなに自信たっぷりでいられるの!?
そもそも、なんでおんなじような奴が二人いるの?


妖怪ぺどぺどさん(色々とアレな名前…)がロリショタ光線を出してみんなが子どもになっちゃったとき、
「この光線は相手を無力化するための技です 決して他の用途には使用しないでください」
と注意書きがあったのが面白かった。児童なんたらが話題になってた頃のネタなんでしょうかね。
「ショタ河童」はそのままキャラクター商品化できそうなくらいかわいいと思う!


突発企画の「男女逆転パラドキシア」が何気にすごくときめきました。
いいなあ、坂神練子に大槻凛太郎! 二人ともかわいいよ。
1ページしかなかったので、もっと読みたいです。4巻でも描いてくれないかなぁ、ミカベル先生。


あと、あとがきページの「W花子さん学生バージョン」が素敵すぎる。
おおお…成長してもスレンダーな白花子さんラブ!(あれ、スク水のほうが白花子さんで合ってたっけ?)


カバー外したところのお父様のネームについては…なんとコメントしたらいいのか…(笑)



2巻の感想はこちら

タグ:美川べるの
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2008年07月13日

ダチ公の涙 〜空知英秋「銀魂」24巻




今までの法則でいけば今巻の背表紙は金丸君のはずなのに、何故キャサリンが…?
ほんとに使い捨てだったのね、金丸君。


ひねくれじいさんと老犬の話、案の定良かった。
「くたばれ」とののしることは、相手の人生をまるごと引き受けることであったんだなあ。
この人たちは本当にひねくれ屋で、まっすぐに道なんて歩いてたまるかって感じで人生進んでるけど、そんなくねくね曲がりくねった道も、うんと離れた遠ーくから見てみれば目的地へ向かって確かに伸びる力強い一本の道になって見えるんだろうね。
銀魂にたくさん出てくるそういう人たちは、だからカッコイイんだろうな。


普通にお涙頂戴路線でいくのかと思ったら、いきなり宇宙生物とかの話が出てきて「アレエエエ!?」と思わせといて、最後はきっちりお涙でシメるんですよ。
空知さん、あなたも相当ひねくれ屋だよ。でもそんなひねくれ野郎、アタイは結構キライじゃないよ…(←誰だよ)


新八の文通話も良かったです。
自分に自信が持てず、かわいい妹のふりをして手紙を書いていたきららの独白が、なんだか心に残った。


「不思議ですね
人は自分のために筆をとっても
臆病で小さくまとまったつまらない文ができてしまうけれど
誰かのためになら
いくらでも強く自由な素敵な文が書けるんです」



心底そうだなあと思う。


あとはやっぱりフォロ方十四フォロー…じゃなかった、土方十四郎さんの見事なフォローっぷりが素敵でした。
お妙さんの物わかりが良すぎる(笑)。銀さんそのコンニャクは食べちゃだめだろ!
それから総悟はどんだけドSの素質を持ってるんだ! その短時間で一体どんな調教をしたんだ!


ジャンプスクエアに載ってた読み切り「13」も収録されております。
五流醐さんがめちゃめちゃかわいかった。何ですか「ふぇらった」って。ギリギリじゃないですか。



23巻の感想はこちら

タグ:空知英秋
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2008年07月05日

欲しかった言葉 〜原作・三浦しをん/漫画・海野そら太「風が強く吹いている」2巻



2巻もイイ! 面白〜い!
すっごい好き!
しをんさんには申し訳ないですが、原作以上に好きかもしれません!
とにかく絵が好き、絵からあふれる空気が、疾走感が好きだあ。
言葉ではない、理屈ではないです。ほんと好きです。


アオタケのみんなもどんどん個性が発揮されてきた2巻。
キングのノリやすい性格とか、ユキの熱くなりきれないところとかも好きだけど、特にニコチャン先輩のエピソードが良かった。
かつて陸上部の長距離選手だったニコチャン先輩。筋肉質の体型は長距離に向かないため思うようにタイムも伸びず、顧問からも投てきに種目変更しないかと誘われる。
けれど先輩は長距離を続けた。「走るのが好き」だったから。


「オレが向いてないのはきっと本当だから
あきらめたらそれを認めることになる
一度あきらめたら 次も きっとまた あきらめる
こっから先の人生 ずっとあきらめ続けることになる…!!」



「あきらめ続ける人生を送る」ことをあきらめ、それに慣れてしまったニコチャン先輩。
けどもう一度、あきらめずにがんばろうと思えたのは、仲間からの「がんばれ」という言葉のおかげだった。
走っているときは孤独です。この体を、この脚を動かし続けるかどうかは自分が決めること。
でも誰かの言葉ひとつで、自分は今「ひとりじゃない」と思うことができるんだなあ。
みんなの「がんばれ」という声援で、カケルが本来の走りを取り戻せたのもそう。
ハイジさんのいう、長距離選手にとっての「強さ」って、そういうことでもあるのかな。


禁煙を続けることにしたニコチャン先輩の表情は、何かがふっきれたように清々しくて、とてもうれしかった。
無関心なふりして実は寮の皆を気にかけているユキ(最近ユキの株が私の中で急上昇)の、「コリンブランストーンの繊細なスモーキンヴォイスが全っ然聞こえないんだけど!!」というセリフに笑った。「ヘッドフォンつけなよ…」(笑)


そしてカケルと同郷の榊がいい。すごくいい。
しをんさんもブログで書かれてたけど、初登場シーンが良すぎる! なんというか、榊というやつがどういう人間かっていうのが一発でわかるんだよな〜。
カケルに声かける前に、一人で鉄棒の上に登ったんだろうなーとか(笑)たぶん、見下ろしたかったんだろうな…。
人一倍努力している自負はある。自己中のカケルのことは気にくわないけど、彼もまた努力していることは認めている。
けれどまるで「宇宙人」みたく、ひとり別の次元で走っているカケルに感じる温度差。
走るのが嫌になったことはないのか、そう訊く榊に「ねえよ」と答えたカケル。


「オレはある!!! めちゃめちゃある!!!
(中略)
オメーといた3年間で嫌ってほど思い知らされたっちゃ オレは天才なんかじゃねーって
(中略)
んでも 走る なんでだと思う?
オメーさ勝つためだ!!!」



努力しても努力しても、すぐカケルに追い抜かれる榊。
でもそこでカケルのせいにしていじけるんじゃなくて、さらに努力をしようとするところが愛しいです。
榊はとにかくいいっ!! 榊サイコー!


1巻の表紙ではカケルは一人で走ってたんだけど、2巻ではニコチャン先輩と双子が併走しています。
巻が進むにつれて、だんだん人が増えていくのかな?
3巻が楽しみだよう!


なんか全体的に頭の悪そうな感想文になってしまいましたが、個人的に強烈におすすめしたい作品です。
表紙の絵が好きな感じなら読んで損はないと! 思い、ますよ!(笑)



1巻の感想はこちら
ニックネーム 三森紘子 at 18:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画・か行(その1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする